Microsoft公式Xアカウントが乗っ取り被害、偽トークン「$Clippy」の宣伝に悪用される
概要 1300万人以上のフォロワーを持つMicrosoft公式のX(旧Twitter)アカウント(@Microsoft)が、2026年10月2日に乗っ取り被害を受けた。攻撃者は同アカウントを使い、Microsoftのマスコットキャラクター「Clippy」を模倣したアカウント「@clippymsftcto」をフォロー・リポストし、架空の暗号資産トークン「$Clippy」を宣伝する投稿を拡散させた。投稿では、このトークンがMicrosoft株($MSFT)と直接ペアになった流動性プールを持つと虚偽の主張がされており、Clippyのブランドおよび同社の知的財産が無断で利用された典型的な「ポンプ・アンド・ダンプ」詐欺の手口とみられる。 Microsoftの対応と攻撃者の身元 Microsoftは「当社のアカウントへの不正アクセスを確認した。Microsoftが発信したものではない投稿が含まれていた」との声明を発表し、不正な投稿をすべて削除してアカウントを保護した上で調査を進めているとしている。本記事執筆時点で攻撃者の身元は不明であり、侵入の具体的な手法についても詳細は明らかにされていない。 過去の類似事件と暗号資産詐欺の広がり 同種の事案は過去にも発生している。2024年6月にはMicrosoft India公式アカウントが乗っ取られ、ウォレット内の資産を抜き取るマルウェアの配布に利用された。また2024年1月には米証券取引委員会(SEC)のXアカウントがSIMスワッピング攻撃を受けており、関与したハッカーのEric Council Jr.氏は2025年2月に司法取引に応じ、2025年5月に14ヶ月の禁固刑を受けている。X上での著名アカウント乗っ取りによる暗号資産詐欺は依然として横行しており、2023年には「MS Drainer」と呼ばれるサービスが、乗っ取られたアカウントの広告を通じて6万3000人の被害者から約5900万ドルを騙し取ったとされる。今回の事案は、著名な公式アカウントであっても暗号資産詐欺の標的から免れないことを改めて示した。