ロシア内務省がサイバー犯罪フォーラム「LeakBase」管理者を逮捕、数億件の認証情報不正取引に関与
概要 ロシア内務省(MVD)は2026年3月25日〜26日、南部タガンログ市において33歳の男を、サイバー犯罪フォーラム「LeakBase」の管理者として逮捕した。内務省報道官イリーナ・ボルク氏が発表したもので、当初フォーラム名は明かされなかったが、タス通信が法執行機関の情報源をもとにLeakBaseと特定した。被疑者はオンライン上で「Chucky」「beakdaz」「Chuckies」「Sqlrip」などのハンドルネームを使用していたとされ、セキュリティ企業KELAおよびTriTrace Investigationsによる独立調査がすでにこれらのエイリアスをタガンログ在住の同人物と紐付けていた。 LeakBaseとは LeakBaseは2021年に開設されたサブスクリプション型のサイバー犯罪マーケットプレイスで、登録ユーザー数は14万2,000〜14万7,000人以上、メンバー間のメッセージ数は21万5,000件以上に達していた。「世界最大級のサイバー犯罪ハブのひとつ」と評され、数億件の盗まれたアカウント認証情報、銀行情報、ユーザー名・パスワード、不正入手した企業文書などが取引されていた。これらのデータはアカウント乗っ取り攻撃や不正取引に広く悪用された。プレミアム会員は数百ドルのサブスクリプション料を支払うことでより広範なデータにアクセスできる仕組みだった。 国際的な摘発との連携 今回の逮捕に先立ち、2026年3月にはFBIとユーロポールが主導する国際共同作戦が実施された。12カ国以上で45人を対象に100件以上の法執行措置が取られ、オランダおよびマレーシアのホスティングインフラのサーバー停止やドメイン押収が行われた。摘発後、サイト「leakbase[.]bz」はDDoS-Guardの保護を利用して一時復活したが、その後ロシア当局によって恒久的に閉鎖された。なお、ロシア当局が西側法執行機関と今回の作戦を事前に調整していたかは不明で、2022年のウクライナ侵攻後にユーロポールがロシアとの協力を停止している背景もある。 ロシアが自国民を逮捕した背景 ロシアは従来、自国に拠点を置くサイバー犯罪者の国外引き渡しに消極的な姿勢を見せてきた。今回の逮捕が注目されるのは、ロシア当局が自ら動いた点にある。ユーロポールの報告によると、LeakBaseの内部規則ではロシア関連データの販売・公開を明示的に禁止していたとされており、この規定が当局の逮捕判断に影響した可能性が指摘されている。自国利益を侵害しない範囲で運営されているサイバー犯罪組織への対応姿勢の変化とも解釈でき、今後の国際的なサイバー犯罪対策との関係において注目すべき事例となっている。