Chromeに2026年7件目の実悪用ゼロデイ、V8のCVE-2026-87491をChrome 153で修正
概要 Googleは9月9日、Chrome 153のアップデートで230件のセキュリティ脆弱性を修正した。このうちCVE-2026-87491は、ChromeのJavaScript/WebAssemblyエンジンであるV8に存在する境界外書き込み(out-of-bounds write)の脆弱性で、CVSSスコアは8.8。Googleは「an exploit for CVE-2026-87491 exists in the wild」として、実際の攻撃で悪用されていることを確認している。今回の修正で、2026年にChromeで確認された実悪用ゼロデイは7件目となった。修正版はWindows/macOS向けが153.0.8010.36/.37、Linux向けが153.0.8010.36で、ロールアウトが開始された。全ユーザーへの配布完了には今後数週間かかる見込みで、ブラウザの自動更新を有効にしているか確認し、手動でも早急に更新することが推奨される。 脆弱性の技術的詳細 CVE-2026-87491は、攻撃者が細工したHTMLページを閲覧させることで、サンドボックス内で任意コードを実行できる問題だ。V8エンジンのヒープメモリ境界外への書き込みによりヒープ破損が生じ、機密情報の漏洩やクラッシュにつながる可能性がある。脆弱性はソウル大学Compsec Labの研究者Jihyeon Jeong氏が2026年8月6日に報告し、Googleは2,500ドルのバグ報奨金を支払った。慣例に従い、Googleは大多数のユーザーが修正版に更新するまで、脆弱性の詳細な技術情報や関連リンクの公開を制限する方針を取っている。 今回のアップデートでは、CVE-2026-87491以外にも230件の脆弱性が修正されており、内訳は緊急(Critical)5件(WebGLおよびCastコンポーネントの解放後使用(use-after-free)を含む)、重大(High)41件、中・低深刻度180件以上となる。今回のリリースでは外部の研究者から35件の報告が寄せられ、Googleは合計で約23,000ドルのバグ報奨金を支払った(うち24件については報奨金額が未公開)。 相次ぐChromeゼロデイ、2026年は既に7件 CVE-2026-87491は2026年にChromeで悪用が確認されたゼロデイとしては7件目にあたる。これまでの内訳は、2月のCVE-2026-2441(CSSフォント機能値の反復子無効化バグ)、3月のCVE-2026-3909およびCVE-2026-3910(グラフィックスライブラリSkiaとV8エンジンの脆弱性)、4月のCVE-2026-5281(WebGPU実装であるDawnの解放後使用)、6月のCVE-2026-11645(V8エンジンの境界外読み書き)、9月のCVE-2026-85046(V8の型混同(type confusion)欠陥)と続く。V8エンジンが標的となるケースが目立っており、ブラウザのJavaScript実行基盤が攻撃者にとって依然として魅力的な攻撃対象であることを示している。 年間を通じてこれだけの数の実悪用ゼロデイが確認されている状況は、Chromeのような広く使われるブラウザに対する高度な攻撃者の継続的な関心を裏付けるものだ。各記事はいずれも、ユーザーに対してブラウザの自動更新設定を確認し、次回起動時の自動適用を待たず、可能であれば手動でアップデートを確認するよう呼びかけている。