Python 3.15.0 rc2公開、ABI変更なしで10月1日正式リリースへ最終調整
概要 Python 3.15.0の2つ目にして最終のリリース候補版rc2が9月1日に公開された。76名の貢献者によりrc1から約144件のバグ修正・ビルド改善・ドキュメント変更が加えられており、このタイミング以降は3.15系でABI(アプリケーションバイナリインタフェース)の変更が発生しないことが明言された。正式リリースは10月1日を予定しており、サードパーティ開発者にはPyPI向けホイールの準備を進めるよう呼びかけられている。 主な新機能 3.15では起動時間短縮を狙った遅延インポート機構(PEP 810)が導入され、モジュールのインポートを実際に必要になるまで遅らせられるようになった。データ構造まわりでは変更不可能な辞書を扱うfrozendict型が組み込みで追加されたほか、型ヒント関連でsentinelおよびTypeForm型が実装された。文字列処理ではデフォルトのテキストエンコーディングがUTF-8に設定され、プラットフォーム依存の挙動によるトラブルを減らす狙いがある。 パフォーマンスとプラットフォーム対応 性能面ではJITコンパイラが大幅に改善され、x86-64で8〜9%、AArch64で12〜13%の速度向上が確認されている。実行系についても、Windows 64ビット版でテイルコーリングを用いた新しいインタプリタ方式が採用され、macOSではフリースレッド(GILなし)対応がデフォルトで提供されるようになった。これらはCPython本体の性能・並行処理能力を底上げする変更であり、3.13以降続くフリースレッド化やJIT導入の取り組みの延長線上にある。 今後の見通し rc2の公開により3.15系の機能セットとABIは事実上確定し、以降のリリース作業は安定化とバグ修正が中心になる。正式版は10月1日にリリースされる予定で、拡張モジュールやパッケージを提供するサードパーティ開発者は、正式リリースに間に合うようPyPIへの3.15対応ホイールの登録を進めることが推奨されている。