Snapが全従業員の16%にあたる約1,000人を削減、AI活用で5億ドル超のコスト圧縮へ

概要 Snapは2026年4月15日、全従業員の約16%にあたる約1,000人の人員削減を実施すると発表した。CEOエヴァン・スピーゲル氏は社員向けメモの中で、AIの急速な進歩によってチームが反復的な作業を減らし、業務速度を向上させ、コミュニティ・パートナー・広告主へのサポートを強化できるようになったと説明している。人員削減に加え、採用中だった300以上のポジションもすべて閉鎖される。2025年12月時点の従業員数は約5,261人であり、今回の削減は近年最大規模の一つとなる。 財務目標とコスト削減 この再編により、Snapは2026年下半期までに年間ベースで5億ドル以上のコスト削減を見込んでいる。スピーゲル氏は「純利益の黒字化に向けた、より明確な道筋を確立する」ことを目標に掲げており、これまで赤字が続いていた同社の収益構造を大きく転換する狙いがある。発表直後、Snap株は時間外取引で11%超の上昇を記録し、市場はコスト削減と収益化への取り組みを好感した。 AI活用による「新しい働き方」 スピーゲル氏は今回の削減を単なるコスト削減策としてではなく、AIを活用した「新しい働き方(New Way of Working)」への移行と位置付けている。Snapchat+の機能拡充、広告プラットフォームのパフォーマンス向上、Snap Liteインフラの効率化など、複数の重要プロジェクトで少人数チームとAIツールの組み合わせが既に成果を上げているとしており、この方針をより広く展開する考えだ。 削減の背景と従業員への対応 今回の削減は、Snapにとって2022年(全体の20%削減)、2023年、2024年(10%削減)に続く一連のリストラの流れを継承するものだ。同社はAmazonやMicrosoft、Pinterestといった他のテック企業と同様、AI効率化を人員縮小の主要な根拠として挙げている。削減対象となった米国従業員には、4か月分の退職金・医療保険・株式付与・転職支援が提供される予定で、北米の従業員には発表当日の在宅勤務が指示された。なお、Snapは今後、消費者向けARグラス「Specs」の発売を予定しており、この部門を独立した事業単位として分離している。

April 17, 2026

AmazonがGlobalstarを115.7億ドルで買収、衛星スペクトラムを武器にStarlinkへ挑戦

概要 Amazonは2026年4月14日、衛星通信企業Globalstar, Inc.を約115.7億ドル(約1兆7,000億円)で買収することを正式発表した。Globalstar株主は1株あたり90ドルの現金またはAmazon株を選択でき、これはGlobalstarの直前終値に対して約23.5%のプレミアムに相当する。ただし現金選択は全株式の40%を上限とし、超過分はAmazon株に転換される。取引は2027年中のクロージングを見込んでおり、規制当局の承認を待つ状態だ。Globalstarは買収完了後、Amazonの完全子会社として事業を継続する予定。 戦略的価値の核心:Band 53スペクトラムが「本命」 今回の買収でAmazonが実質的に手に入れる最大の資産は、Globalstarが保有する24機のLEO(低軌道)衛星や24か所の地上局ネットワークよりも、**Band 53/n53スペクトラム(2483.5〜2495 MHzのLバンド・Sバンド)**だと広く評価されている。このスペクトラムの地上波利用(Band 53/n53)は現在12か国でライセンスを取得しており、高性能・低遅延・干渉なしの接続を実現するとGlobalstarは説明する。こうした特性は他社が衛星を打ち上げるだけでは複製できないため、業界関係者からは「ディールの王冠」とも呼ばれている。 Amazon Leoは2028年以降、このスペクトラムを活用したDirect-to-Device(D2D)サービス、すなわちスマートフォンへの直接接続による音声・データ・メッセージング通信の提供を計画している。 Amazon Leoの現状とFCCデッドライン Amazonの衛星インターネット事業はかつて「Project Kuiper」として知られていたが、現在は「Amazon Leo」としてブランドを刷新している。現時点で運用中の衛星は180〜241機程度とされており、約1万機以上を誇るSpaceX Starlinkとは大きな開きがある。さらに、FCCからのライセンス維持要件として2026年7月30日までに計画衛星数(約3,236機)の50%以上にあたる約1,618機を軌道投入する義務があり、事業の拡大を急いでいる状況だ。今回のGlobalstar買収は、数年かかる周波数ライセンス取得や地上インフラ整備を一度の取引で解決する手段として機能する。 Appleとの関係:複雑な交渉を解決した「サイド契約」 今回の買収における最大の難題の一つが、AppleとGlobalstarの既存関係だった。Appleは2024年に15億ドルを投資してGlobalstarの約20%の株式を取得し、ネットワーク容量の85%を利用する権利を持っていた。iPhone 14以降やApple Watch Ultra 3に搭載された「衛星経由の緊急SOS」など安全性に直結するサービスはGlobalstarのインフラ上で動いており、買収にはAppleとの合意が不可欠だった。 Amazonとアップルはこの問題を解決するサイド契約を締結した。契約によれば、Amazon Leoは今後もiPhoneおよびApple Watchの衛星機能(緊急SOS、メッセージ、「探す」、ロードサイドアシスタンス)を継続的に支える予定だ。両社は将来の衛星サービスにおいても協力関係を築くとしている。 Starlinkへの対抗と業界インパクト Globalstar自身は1991年創業の老舗衛星通信企業であり、2025年に初めて営業黒字を達成、年間売上高は2億7,300万ドルを記録していた。発表翌日にはGlobalstar株が10%上昇、Amazon株も約5%上昇した。 今回の買収はAmazonがSpaceX/Starlinkとの競争を本格化させる意志を鮮明にしたものだ。衛星数では依然として大きな差があるものの、独占的なスペクトラムとAppleとの提携、そして170億ドルを超えるLeo向け設備投資という組み合わせは、商業衛星通信市場の勢力図に変化をもたらす可能性がある。

April 17, 2026

ASML、AI需要を追い風にQ1決算で通期見通し上方修正も中国輸出規制懸念で株価約6%下落

概要 半導体製造装置最大手のASMLは2026年4月15日、2026年第1四半期(Q1)の決算を発表した。売上高は88億ユーロ、純利益は28億ユーロを記録し、いずれもアナリスト予想を上回る好決算となった。これを受けて同社は2026年通期の売上高見通しを360〜400億ユーロに上方修正した。AI(人工知能)向けデータセンターの拡大に伴う半導体需要の高まりが、先端露光装置への旺盛な需要を支えた格好だ。 ただし、決算発表後の株価は約6%の下落を記録した。好業績にもかかわらず株価が下落した主な要因は、中国向け輸出規制の強化に対する市場の懸念である。米国政府が対中半導体輸出規制を一段と厳格化する方針を示しており、ASML製品の中国向け販売が制限される可能性が投資家心理を冷やした。 業績と市場背景 ASMLはEUV(極端紫外線)リソグラフィ装置の唯一の製造会社として、世界の先端半導体製造において不可欠な立場を占めている。AIチップや高性能プロセッサの製造に欠かせない同社の装置は、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子、米国のインテルなど世界の主要チップメーカーが導入している。AI関連の設備投資が世界的に増加する中、ASMLへの需要も拡大が続いており、Q1決算はこうした追い風を反映したものとなった。 中国輸出規制リスク ASMLにとって中国は重要な市場の一つであり、中国向け売上が全体の相当部分を占める。しかし近年、米国主導の対中半導体輸出規制の強化により、ASMLは最先端のEUV装置に加え、旧世代のDUV(深紫外線)装置についても中国への輸出制限が拡大しつつある。2025年以降、規制の範囲はさらに広がっており、今後の中国向け受注や売上に影響が生じる可能性が懸念されている。通期見通しの上方修正はポジティブな材料である一方、中国事業への規制リスクが株価の重荷となっている構図だ。 今後の見通し AI・データセンター投資の拡大を背景に、半導体製造装置への需要は中長期的に堅調が見込まれる。ASMLは依然として業界において独占的な技術優位を持っており、先進国での半導体生産能力増強(米国のCHIPS法や欧州のEU Chips Actに基づく補助金計画など)も追い風となる。一方で、地政学的リスクや規制強化の動向は引き続き不確実性の主要因として意識される見通しだ。

April 17, 2026

Credo TechnologyがDustPhotonicsを最大13億ドルで買収、AI向け光インターコネクト事業を垂直統合

概要 Credo Technology Group(NASDAQ: CRDO)は2026年4月13日、イスラエルのシリコンフォトニクス新興企業DustPhotonicsを買収することに合意したと発表した。取引総額は最大約13億ドルに上り、内訳はクロージング時に現金7億5,000万ドルと約1億2,300万ドル相当の自社株式、さらに財務目標の達成に応じた最大約3.21百万株の追加株式(条件付き対価)となっている。取引はカレンダー2026年第2四半期中のクロージングを見込んでおり、規制当局の承認など所定の条件が付く。買収発表を受けてCredoの株価は約13%上昇した。 DustPhotonicsの技術と事業 DustPhotonicsは2017年に設立された約70名のエンジニアを擁するファブレス半導体企業で、光トランシーバー向けのシリコンフォトニクス・フォトニック集積回路(SiPho PIC)技術を専門とする。同社の製品ポートフォリオは400G・800G・1.6T対応のSiPho PICで構成され、3.2Tへのロードマップも持つ。SiPho PICは光学機能を1チップに集積することで部品点数の削減・製造歩留まりの向上・コスト低減を実現し、ポート速度が800Gを超える領域でその優位性が際立つ。同社製品はすでに主要ハイパースケーラーのAIクラスターに採用されており、ニアポート・コパッケージドオプティクス向けの開発も進めている。資金調達面ではIntel Capital、Greenfield Partners、Sienna Venture Capitalなどから累計1億ドル以上のベンチャー投資を受けている。 戦略的意義と今後の展望 Credoは今回の買収を通じ、SerDes(シリアライザー/デシリアライザー)・デジタルシグナルプロセッシング(DSP)・シリコンフォトニクス・システムインテグレーションにわたる垂直統合型の接続スタックを確立する。これにより、スケールアウト・スケールアップネットワーク双方において電気的・光学的インターコネクトを包括的にカバーできる体制となり、AIインフラ全体の需要に対応する。同社のWilliam Brennan会長兼CEOは「この買収はAI接続領域全体でリーダーシップを発揮するCredoの戦略における決定的な一歩だ」と述べた。財務面では、DustPhotonicsの合流により、ZeroFlap光トランシーバー・光学DSP・シリコンフォトニクス製品を合わせた光学部門の売上が会計年度2027年に5億ドルを超えると見込んでおり、非GAAPベースのEPSについても同年に買収による増加効果が生じると予想している。

April 17, 2026

2026年2月の世界半導体売上が888億ドルに達し前年比61.8%増、アジア太平洋が93.5%増でけん引

概要 米国半導体工業会(SIA)は2026年4月3日、世界半導体貿易統計(WSTS)の3ヶ月移動平均データに基づき、2026年2月の世界半導体売上高が888億ドルに達したと発表した。これは前月(1月)の825億ドルから7.6%増、前年同月(2025年2月)の549億ドルから61.8%増という大幅な成長を示している。SIA会長兼CEOのジョン・ノイファー氏は「2月のグローバルチップ売上は非常に好調で、1月を上回り、昨年2月の売上を大幅に上回った」とコメントした。 地域別動向 地域別の前年比成長率では、アジア太平洋地域(日本を除く)が93.5%増と最大の伸びを記録し、市場全体の成長を力強くけん引した。米州は59.2%増、中国は57.4%増、欧州は42.3%増と、いずれも高い成長率を示した。唯一、日本のみが0.3%減とわずかに前年を下回った。前月比では米州が12.6%増、欧州が10.2%増、アジア太平洋が6.0%増、中国が3.6%増、日本が3.0%増と、全地域で月次成長を記録した。 市場見通し SIAによると、アジア太平洋地域、米州、中国への販売がいずれも前年比成長の主要なけん引役となった。この成長ペースが続けば、2026年の年間世界半導体売上高は約1兆ドルに達するとも予測されており、業界にとって歴史的な節目になる可能性がある。年間を通じて旺盛なグローバル需要が続くと見込まれており、業界全体の堅調な成長基調が注目されている。

April 15, 2026

Hexagon、Baker Hughesの非破壊検査部門Waygateを14.5億ドルで買収——製造業向け検査技術を拡充

概要 スウェーデンの計測・センサー技術大手Hexagonは2026年4月、米エネルギー大手Baker Hughesの子会社である非破壊検査(NDT)ソリューション企業Waygate Technologiesを約14.5億ドルの全額現金で買収すると発表した。取引は規制当局の承認を経て2026年後半に完了する見通しで、Baker Hughesの財務アドバイザーにはJ.P.モルガンが起用されている。 Waygate Technologiesはドイツに本社を置き、世界25拠点に約1,500名の従業員を擁する。2025年の年間売上高は約6億3,000万ドル、EBITマージンは10%。Krautkämer、Phoenix、Seifert、Everest、Agfa NDTなど130年超の歴史を持つブランドを統合した企業であり、コンピュータ断層撮影(CT)、放射線検査、遠隔目視検査、超音波検査などの技術を航空宇宙・自動車・エネルギー・バッテリー・製造業など幅広い分野に提供している。 買収の戦略的意図 Hexagonにとって今回の買収は、Manufacturing Intelligence部門の強化を意味する。同社はこれまで製品の外表面を計測する技術を中心に展開してきたが、Waygateのポートフォリオを取得することで内部構造の解析能力を補完し、より包括的な製造検査ソリューションを提供できるようになる。HexagonはWaygateの事業のうち、放射線検査を収益性資産、遠隔目視検査を成長資産として位置付け、超音波検査およびイメージングソリューションについては売却も含めた検討を行う方針だ。 Baker Hughes側にとっては、NDT事業を手放すことでコア事業である回転機器(ターボ機械など)および脱炭素化関連への資本再配分が可能になる。エネルギー業界が低炭素化へと転換するなか、Baker Hughesは自社のリソースをより戦略的な優先分野に集中させる狙いがある。 今後の展望 非破壊検査市場は、製造品の品質保証や安全性確認の需要増大を背景に堅調な成長が続いており、特に電気自動車向けバッテリー検査や航空宇宙部品の品質管理において重要性が高まっている。HexagonがWaygateの豊富な技術遺産とグローバル拠点を取り込むことで、製造業向けデジタル検査ソリューションの競争力が一段と強化される見込みだ。取引完了後、HexagonがWaygateのブランドや製品ラインをどのように再編・統合するかが注目される。

April 15, 2026

Novo NordiskとOpenAIが提携、AI活用で創薬プロセスの大幅短縮へ

概要 デンマークの製薬大手Novo Nordiskは2026年4月14日、OpenAIとの戦略的提携を発表した。この提携では、OpenAIの最先端AIモデルをNovo Nordiskの研究開発(R&D)、製造、サプライチェーン、商業オペレーションなど事業全般に統合することを目指す。まずパイロットプログラムを段階的に開始し、2026年末までの全社的な本格導入を計画している。OzempicやWegovyなどの糖尿病・肥満症治療薬で知られる同社は、AIの活用によって次世代医薬品開発のリーダーポジションを確立しようとしている。 AIの活用領域と技術的アプローチ 提携の中核となるのは、膨大なゲノム・生物学・臨床試験データをAIで分析し、これまでは発見できなかったパターンや薬効を見出すことだ。具体的には、創薬候補物質の特定を効率化し、研究成果から患者への提供までのリードタイムを短縮することを狙う。また、実験室での検証前にAIシミュレーションで薬効を予測することで、コスト削減と開発期間の圧縮を図る。製造・流通面でもサプライチェーン最適化に活用する計画で、従業員へのAIリテラシー教育や、倫理的利用を担保するデータガバナンス体制の整備も進める方針だ。 Novo NordiskのCEOであるMike Doustdar氏は「日常業務にAIを統合することで、これまで不可能だった規模でデータセットを分析し、見えなかったパターンを発見し、これまで以上に素早く仮説を検証できるようになる」と述べた。OpenAIのCEO Sam Altman氏も「AIは産業を再定義しつつあり、ライフサイエンス分野ではより良く、より長い生活の実現を支援できる」とコメントしている。 製薬業界全体に広がるAI活用の潮流 この提携は、製薬業界全体でAI活用が加速している流れの一環でもある。2026年3月には競合のEli Lillyが、AIによる創薬を手がけるInsilico Medicineと最大27億5000万ドル規模の提携を発表しており、業界全体でAI活用による競争が激化している。現在、新薬の開発には一般的に10年以上の期間と数十億ドルの費用がかかるとされており、AIによる効率化への期待は非常に高い。Novo Nordiskの今回の取り組みは、糖尿病や肥満症を抱える数百万人の患者に対して、新たな治療選択肢をより迅速に届けることを最終的な目標としている。

April 15, 2026

OracleとBloom Energy、AIデータセンター向け燃料電池の調達を最大2.8GWに拡大

概要 Oracleは2026年4月13日、Bloom Energyとの提携を拡大し、AIデータセンター向け燃料電池の調達量を最大2.8ギガワット(GW)に引き上げると発表した。今回の合意では、まず1.2GW分の契約が締結済みで、2027年までに展開を完了する計画となっている。発表を受けてBloom Energyの株価は約15%急騰し、時価総額は500億ドルを超えた。 提携の経緯と財務的背景 両社の協業は2025年7月に始まり、BloomがOracleの米国データセンターへ90日以内にエネルギーを供給するという初回合意が結ばれた。同年10月にはさらなる追加合意が締結され、Oracleへのワラント(新株予約権)発行条件も含まれた。そして2026年4月9日、Oracleは1株113.28ドルで最大353万株を購入できるワラント(総額約4億ドル相当、行使期限は2026年10月9日)を受け取り、その数日後となる今回の大型拡大発表につながった。Bloom株の急騰により、Oracleはワラントの含み益として約3億1,600万ドルを得ている状態だ。 技術的詳細:グリッド不要のオンサイト発電 Bloom Energyが提供する固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell: SOFC)は、従来の電力グリッドへの接続を必要とせず、データセンター施設内でのオンサイト発電が可能な点が大きな特徴だ。設置が迅速に行えるため、AIワークロードの急増に対応するための代替電源として注目を集めている。Oracle Cloud InfrastructureのEVPであるMahesh Thiagarajan氏は「Bloomの信頼性が高く効率的な燃料電池エネルギーを迅速に展開することで、米国全土の顧客需要に素早く対応できている」とコメントしている。 AI電力需要拡大の波を受けるBloom Energy Bloom Energyは、AIブームの大きな受益企業として市場から評価されている。同社の株価は2025年に約4倍に上昇し、2026年もこの発表時点で100%以上の上昇を記録している。Oracle以外にも、American Electric Power、Equinix、Brookfield Asset Managementなどとの大型契約を相次いで締結しており、AI・クラウドインフラ向け電力供給のプレーヤーとして存在感を高めている。一方のOracleも、AIデータセンター建設に1,000億ドル以上の資金調達を実施済みで、安定した電力確保はインフラ戦略における重要課題となっている。

April 15, 2026

Sony、INZONEゲーミング新製品4機種を4月15日に発表——初のオープンバック型ヘッドセット「H6 Air」が199ドルで登場へ

概要 Sonyは2026年4月15日、ゲーミング・eスポーツ向けブランド「INZONE」の新製品発表イベントを開催すると公式に告知した。ティザー画像では4製品が4分割のレイアウトで並んでおり、このうちの1つが初のオープンバック型ヘッドセット「INZONE H6 Air」であることが、情報リークサイトのDealabsによって事前に明らかになっている。想定価格は約199ドル(中価格帯)で、esportsプレイヤーやPCゲーマーをメインターゲットに設定されている。残る3製品については公式発表前の段階であり、ティザー画像からゲーミングモニター、ゲーミングマウスまたはマウスパッドなどが含まれると推測されている。 INZONE H6 Airの仕様詳細 INZONE H6 Airの最大の特徴は、INZONEシリーズ初となるオープンバック設計だ。アルミメッシュ製のイヤーカップを採用し、長時間のゲームプレイでも通気性を確保している。音響エンジニアリングにはSonyのスタジオモニターヘッドフォン「MDR-MV1」の技術が流用されており、7.1チャンネルバーチャルサラウンドサウンドおよび360度空間オーディオに対応する。接続方式はトライモード接続に対応し、複数のデバイスで柔軟に使用できる設計だ。 重量は約199グラムと軽量で、12グラムの着脱式AIノイズキャンセリングマイクが付属する。また「PlayStation Studiosオーディオプロファイル」により、対応タイトルでのゲーム内サウンドの最適化キャリブレーションが可能とされている。 ブランド戦略とeスポーツ展開 発表イベントに先立ち、SonyはINZONEフラッグシップモデル「H9 II」とゲーム『Overwatch』のキャラクター「D.Va」とのコラボレーションを展開している。eスポーツコミュニティへのブランド浸透を狙った施策で、4月15日の新製品披露に向けた認知度向上を目的としていると見られる。INZONEブランドはSonyのゲーミング周辺機器ラインとして、ヘッドセット・モニター・マウスなどを展開しており、今回の4製品発表によりラインアップがさらに拡充される見込みだ。

April 15, 2026

Intel株が53%急騰し時価総額3000億ドル超え――アイルランド工場買い戻し・Google提携・Terafab参加が重なる

概要 Intelの株価は2026年4月に入り9営業日で53%急騰し、時価総額が1000億ドル以上増加して3050億ドルを突破した。これはドットコムバブルが頂点にあった2000年8月以来約25年ぶりの水準であり、この9営業日の上昇率は1971年の上場以来で最大の記録的水準でもある。S&P 500構成銘柄の中でも4月随一の「最もホットな銘柄」と評され、年初来の上昇率は約72%に達した。2024年には時価総額が1000億ドルを下回り「生存モード」と形容されていた企業が、わずか1年強で劇的な復活を遂げた格好だ。 3つの触媒 今回の急騰を後押ししたのは、短期間に相次いだ3つの大型ニュースである。 第1の触媒:アイルランドFab 34の買い戻し(4月1日) Intelはアイルランド・レクスリップに位置するFab 34の49%株式をApollo Global Managementから142億ドルで買い戻す契約を締結した。Apolloは2024年6月に112億ドルで取得しており、Intelは約27%のプレミアムを支払った形になる。資金は手元現金と約65億ドルの新規社債で賄われる。Fab 34は欧州で唯一の極端紫外線(EUV)リソグラフィによる高量産体制を持ち、Intel 3およびIntel 4プロセスで「Core Ultra」や「Xeon 6」を製造する拠点だ。外部株主への配当義務がなくなることで戦略的自由度が高まり、2027年初頭からEPS改善に寄与する見込みとされる。Intelは同取引が信用格付けの改善にも貢献するとしている。CFOのDavid Zinsner氏は「より強固なバランスシートと財務規律の改善を実現した」と述べた。 第2の触媒:GoogleとのAI拡大提携(4月9日頃) GoogleはIntelの最新「Xeon 6」プロセッサを含む複数世代のXeonプロセッサをデータセンターにおけるAI訓練と推論のワークロードに採用すると発表した。さらに両社は、ネットワーク・ストレージ・セキュリティを担うカスタムASICベースの「インフラ処理ユニット(IPU)」を共同開発することでも合意した。GoogleのAIインフラ上席副社長Amin Vahdat氏は「CPUとインフラアクセラレーションはAIシステムの礎であり続ける」とコメントした。Lip-Bu Tan CEO は「AIのスケールにはアクセラレーターだけでなく、バランスの取れたシステムが必要」と強調し、IntelをNVIDIA製GPUと競合する「AIシステム全体」のプロバイダーとして位置付ける姿勢を示した。 第3の触媒:テキサス州のTerafabプロジェクト参加(4月7日) Intelはイーロン・マスクが主導する総額200〜250億ドルの先進AIチップ製造複合施設「Terafab」に参画すると発表した。テキサス州オースティンに建設される同施設は、2nmクラスの18Aプロセスノードを用い、月間10万枚ウェハの生産を目標とする。製造した先端チップはTesla・SpaceX・xAIのAI・ロボット・自律走行用途に供給される予定だ。これはIntelのファウンドリ部門にとって初の大口外部顧客となり得る契約で、2025年に103億ドルの損失を計上し、外部収益はわずか3億700万ドルに留まっていた同部門の転換点として市場に受け取られた。 バリュエーションと市場の懸念 株価の急騰に伴い、Intelの予想PERは約90倍に達した。これはIntelとして過去最高の水準であり、ドットコムバブル時の最高値を50%以上上回る。半導体セクターの平均(約21倍)とも大きく乖離しており、Bloombergが追跡する52人のアナリストのうち買い推奨は10人、売り推奨は6人と、S&P 500平均の2倍以上の悲観的評価が残る。2026年の業績予想は1株あたり約0.17ドルの損失で、黒字転換は2027年(+0.33ドル)、安定軌道に乗るのは2029年(+2.13ドル)との見通しだ。一方、株価は既にアナリストのコンセンサス目標株価を上回っており、今後の実績が問われる局面に入った。 背景と今後の見通し Intelの転落は2024年が最も深刻で、Pat Gelsinger前CEOの在任中に製造プロセスの遅れとコスト肥大が重なり、時価総額は1000億ドルを下回った。2025年初頭にLip-Bu Tan氏がCEOに就任して以降、「ファウンドリ2.0」戦略のもとで財務構造の簡素化と国内製造拠点の強化が進められた。2025年8月には米国政府がCHIPS法の補助金を転換する形でIntel株の約9.9%(無議決権)を89億ドルで取得しており、現在の株価ベースでは約270億ドルに膨らんでいる。 今後の注目点は、2026年4月23日に予定されるQ1 2026決算と、18Aプロセスノードの量産立ち上がりだ。AmazonやGoogleとのカスタムAIパッケージングに関する追加契約交渉も進行中とされており、Terafabを含めた複数のアンカー顧客が確定すれば、ファウンドリ部門の赤字縮小ペースが市場の予想を上回る可能性がある。一方で、TSMCとSamsungとの競合環境や、高バリュエーションを正当化するための実績積み上げが短期的な課題として残る。

April 14, 2026