AWSがAmazon ConnectをAIエージェント駆動の4製品スイートに再編——サプライチェーン・採用・顧客・医療に特化

概要 AWSは2026年4月28日に開催した「What’s Next with AWS 2026」イベントで、Amazon Connectの大規模な再編を発表した。これまで単一のコンタクトセンター製品として提供されていたAmazon Connectを、サプライチェーン・採用・顧客体験・医療の4つの業界領域に特化したAIエージェント駆動のソリューションスイートへと拡張した。各製品は企業の既存ワークフローに統合して機能するよう設計されており、AIエージェントが現場の業務改善を担う構成となっている。 4つの製品スイートの詳細 Amazon Connect Decisions はサプライチェーン計画向けのソリューションで、Amazonが30年にわたる自社運営で蓄積した運用科学の知見と、25種類以上の専門的なサプライチェーンツールを組み合わせている。担当チームを危機対応から計画的な意思決定へとシフトさせ、継続的な業務改善を支援することを目的としている。 Amazon Connect Talent(プレビュー提供中)は採用担当者向けのAIエージェント型ソリューションで、AIによる面接実施、科学的根拠に基づく評価、一貫性のある判定を提供する。採用プロセスに内在する人間の先入観を軽減しつつ、質の高い候補者の採用を迅速化する。 Amazon Connect Customer は従来のAmazon Connectを改称・強化したもので、音声・チャット・デジタルチャネル全体においてインテリジェントかつパーソナライズされた顧客体験を提供する。導入期間が従来の数カ月から数週間へと短縮されている点も特徴の一つだ。 Amazon Connect Health は医療機関向けに特化した製品で、患者確認・予約管理・患者インサイトの提供・アンビエントドキュメンテーション・医療コーディングといった機能を備える。患者のケアへのアクセス向上と臨床医の業務効率化の両立を目指している。 背景と意義 今回の再編は、汎用的なコンタクトセンター基盤から業界特化型のAIエージェントプラットフォームへという明確な方向転換を示している。AWSはAmazonの自社事業で培った運用ノウハウをそのまま製品化する戦略を採っており、特にDecisionsはその象徴的な例といえる。各スイートが既存ワークフローへの統合を前提に設計されている点は、エンタープライズ向けAI製品における「導入障壁の低減」という業界全体のトレンドとも一致している。Amazon Connect Talentがまだプレビュー段階にある一方で、他3製品は正式提供に向けて動いており、今後の展開が注目される。

April 30, 2026

OpenAIがMicrosoft独占を終了しAmazon Bedrockへ展開、GPT最新モデル・Codex・Managed Agentsが利用可能に

概要 2026年4月28日、AWSとOpenAIは提携拡大を発表し、Amazon BedrockでOpenAIの最新フロンティアモデル、コーディングエージェントのCodex、そして新サービスのManaged Agentsが限定プレビューとして提供開始された。これはOpenAIがMicrosoftと締結していたクラウド独占提供契約を改定し、Microsoft Azure AI以外のプラットフォームでもOpenAIモデルが利用できるようになった歴史的な転換点だ。AmazonのAndy Jassy CEOはこの発表を受け「非常に興味深い発表」とSNSで反応を示した。 提供される3つのサービス Amazon Bedrockで新たに利用可能になったOpenAIのサービスは以下の3つ。 最新フロンティアモデル:AWS顧客がBedrockを経由して初めてOpenAIのフロンティアモデルにアクセス可能になった。IAM、AWS PrivateLink、ガードレール、暗号化、CloudTrailロギングといったAWSのエンタープライズセキュリティコントロールをそのまま継承できる点が特徴で、既存のAWSクラウドコミットメントに利用量を適用できる。 Codex:OpenAIのコーディングエージェントをAWS環境に統合したもので、Codex CLI、デスクトップアプリ、VS Code拡張機能から利用可能。AWS認証情報で認証し、Bedrock経由で推論を実行する。 Managed Agents:OpenAIのフロンティアモデルとエージェントハーネスを組み合わせた新サービスで、本番環境対応のAI駆動型エージェントを迅速にデプロイできる。各エージェントは独自のIDを持ち、全アクションがログに記録されるため、監査やコンプライアンス対応も容易だ。 独占終了の背景とクラウドAI競争の新局面 OpenAIがMicrosoftとの独占提供契約を改定した背景には、2026年2月に発表されたAmazonによる最大500億ドル規模の出資が絡んでいる。Amazonの大型投資はMicrosoftの独占権と法的に衝突しており、今回の独占解消はその問題を解決する形で実現した。これによりOpenAIはAWSおよびOracleとも協力関係を深めており、マルチクラウド戦略への転換が鮮明になった。 一方、MicrosoftはOpenAIとの関係が緊張しつつあるとの報道を受け、Anthropicと連携して新たなエージェント機能の開発を進めている。エンタープライズ向けAIプラットフォームの主導権争いは、OpenAI対Anthropicという構図から、AWS・Azure・Google Cloudがそれぞれ異なるAIパートナーを抱える複雑な多極構造へと移行しつつある。Bedrockを通じてOpenAIモデルをAWSのセキュリティ基盤と組み合わせて利用できるようになったことで、クラウドネイティブなエンタープライズユーザーにとっての選択肢は大幅に広がった。

April 30, 2026

AWS、Bedrock AgentCore CLIを14リージョンで無償提供開始——CDK/TerraformによるAIエージェントのIaC管理が可能に

Amazon Bedrock AgentCore CLI の概要 AWSは2026年4月27日付けのWeekly Roundupにて、Amazon Bedrock AgentCore CLIの提供開始を発表した。このCLIは14のAWSリージョンで追加料金なしで利用でき、AIエージェントをインフラコード(IaC)として管理するための開発者向け機能を提供する。 AgentCoreには2つの主要な機能が含まれる。「Managed Harness(プレビュー)」は、モデル・システムプロンプト・ツールを指定するだけでエージェントをすぐに実行できる仕組みで、オーケストレーションコードを自前で書く必要がない。「AgentCore CLI」はIaCガバナンスのもとでエージェントをデプロイするためのツールで、AWS CDKへの対応は即日、Terraformサポートも近日対応予定とされている。また、ハーネスのオーケストレーション部分をStrandsベースのコードとしてエクスポートする機能も備えており、必要に応じてフルコントロールへ移行できる柔軟性も持つ。 AWS LambdaとS3 Filesの統合 同週のアップデートでは、AWS LambdaがAmazon S3バケットをファイルシステムとしてマウントできる新機能「S3 Files」も発表された。従来のように事前にデータをダウンロードする必要がなく、Amazon EFSのインフラを基盤としているためS3のスケーラビリティ・耐久性・コスト効率をそのまま享受できる。複数のLambda関数が同一ファイルシステムに同時アクセスできるため、AIエージェントがメモリを永続化するワークロードなど、機械学習系のユースケースで特に有効とされている。 AnthropicおよびMetaとのパートナーシップ拡大 パートナーシップ面では2件の大型発表があった。Anthropicとの協業深化として、ClaudeモデルがAWS TrainiumおよびGravitonインフラ上でトレーニングされることが明らかになった。また、チームベースのエンタープライズワークフロー向けの「Claude Cowork」がAmazon Bedrockで利用可能になり、統合された開発体験を提供する「Claude Platform on AWS」も近日公開予定とされている。 Metaとの合意では、MetaがAWS Gravitonプロセッサーを大規模導入し、リアルタイム推論やコード生成を含むエージェント型AIワークロードに数千万コア規模のGravitonを活用することが発表された。 その他の主要アップデート その他のAWSアップデートとして、Aurora Serverlessがスケーリングアルゴリズムの改善により最大30%のパフォーマンス向上を達成したほか、EKS Hybrid Nodes GatewayがクラウドとオンプレミスのKubernetes環境間のネットワーキングを追加コストなしで自動化する機能を提供開始した。また、Bedrock Cost Attributionとして、AIワークロードのコストを細かくタグ付け・追跡できるコスト可視化機能も追加されている。これらの発表全体を通じて、AIエージェントの本番デプロイ基盤整備が急速に進んでいることが見て取れる。

April 28, 2026

元OpenAI CTOのムラティ氏率いるThinking Machines Lab、Google Cloudと数十億ドル規模のインフラ契約を締結

概要 元OpenAI CTOのミラ・ムラティ氏が2025年2月に設立したThinking Machines Labは、Google Cloudと数十億ドル(数字は一桁台)規模のインフラ契約を締結した。今回の契約はThinkingMachinesにとって初のクラウドサービスプロバイダーとの提携であり、独占的なものではない。契約にはNVIDIAの最新世代GPU「GB300」チップへのアクセスと、モデルのトレーニングおよびデプロイを支えるインフラサービスが含まれる。同社はこのインフラを活用し、強化学習ワークロードのパフォーマンス向上を目指す。 技術的な詳細 今回の契約で同社が利用できるNVIDIA GB300チップは、前世代GPUと比較してトレーニングおよびサービング速度が約2倍に向上するとされており、Thinking Machines Labはその早期利用顧客の一社となる。インフラはKubernetesエンジンやSpannerなど、GoogleのクラウドエコシステムとAIシステムを幅広く組み合わせたもので、同社の研究者は「Google Cloudのおかげで記録的なスピードで稼働でき、求める信頼性も確保できている」とコメントしている。この環境は、同社のカスタムAIモデル自動生成製品「Tinker」の開発をさらに加速させる見通しだ。 企業背景と資金調達 Thinking Machines Labは2025年10月に最初の製品「Tinker」をリリースした。TinkerはフロンティアレベルのカスタムAIモデルを自動生成するシステムであり、企業向けに特化したAI開発の効率化を提案している。また同社は設立当初に20億ドルのシードラウンドを調達し、企業評価額は120億ドルに達した。Google Cloudとの契約以前には、NVIDIAとも個別に提携し、同社からの出資も受けている。 競合との比較と市場動向 AI企業とクラウド・半導体大手との大型インフラ契約は業界全体で加速しており、Anthropicも同月にGoogleおよびBroadcomとTPUキャパシティ契約を締結したほか、Amazonとは5ギガワット規模のキャパシティ確保を目的とした契約を結んでいる。Googleはインフラ提供とクラウドサービスをセットで提供することで、有望なAIスタートアップとの関係強化を図る戦略を取っており、Thinking Machines Labとの今回の契約もその文脈で位置づけられる。

April 26, 2026

Google Cloud Next 2026:第8世代TPUとAIエージェント基盤で示すクラウドAI戦略

概要 Googleは2026年4月22日、年次カンファレンス「Google Cloud Next 2026」でSundar Pichaiが多数の主要発表を行い、クラウドAIインフラの大規模強化を宣言した。目玉は第8世代TPUの2バリアントとなる「TPU 8t」(学習特化)および「TPU 8i」(推論特化)の投入であり、前世代比最大3倍の処理性能と80%のコストパフォーマンス向上を謳う。また、AIスーパーコンピュータ向けの新データセンターファブリック「Virgo Network」、AppleとのクラウドAI提携、Gemini Enterprise Agent Platformによるエンタープライズ向けエージェント基盤の統合強化も発表され、クラウドインフラにおけるAI競争が新たな局面を迎えた。 第8世代TPUの詳細 TPU 8tは学習ワークロードに最適化されており、最大9,600ユニットをクラスタリングして前世代比3倍の処理速度を実現する。TPU 8iは推論向けで、1,152ユニット接続に対応し、オンチップSRAMを3倍に拡大することでレイテンシーを大幅に低減している。さらにTPU 8tは新データセンターファブリック「Virgo Network」およびPathways/JAXソフトウェアとの組み合わせで、単一クラスターあたり100万TPU超への準線形スケーリングを実現し、従来のハイパースケール制約を突破する設計となっている。 注目すべきはGoogleのNvidiaに対するポジショニングだ。TPUはNvidiaを完全に代替するのではなく補完する位置付けとして、2026年後半にはNvidiaの最新チップ「Vera Rubin」もGoogle Cloudで提供予定であることを明らかにした。Googleが2023年にオープンソース化したネットワーキングシステム「Falcon」の改善でも協業するなど、競争と協調を並走させる戦略を採っている。 AIエージェントとプラットフォームの強化 エンタープライズ向けAIエージェント基盤として「Gemini Enterprise Agent Platform」が発表された。数千単位のAIエージェントを構築・スケール・ガバナンス・最適化するための統合ツール群を提供し、組織規模のエージェント運用を可能にする。同プラットフォームには新モデルとしてGemini 3.1 Pro、Gemini 3.1 Flash Image、動画生成モデルVeo 3.1 Lite、音楽生成モデルLyria 3 Proも加わった。ファーストパーティモデルのAPIスループットは毎分160億トークン超に達し、前四半期比6割増という急成長が続いている。Gemini Enterpriseの有料月間アクティブユーザーも前四半期比40%増を記録した。 データ基盤・セキュリティ面では、Knowledge Catalog、Cross-Cloud Lakehouse、Deep Research Agentを新たに発表。320億ドルで買収したWizとの連携によるAIサイバーセキュリティ自動化も強化され、セキュリティエージェントは脅威の軽減時間を90%以上短縮できるとしている。Workspace Intelligenceの一般提供も開始され、M365からの移行が5倍高速化されるとの試算も示された。なお、Google社内では新規コードの75%がAI生成となっており、半年前の50%から急増するなど、自社でのAI活用も加速している。 市場への影響と展望 今回の発表はNvidiaが約5兆ドルの時価総額を誇るAIチップ市場において、GoogleをはじめAmazon、Microsoftなどハイパースケーラーが独自チップで存在感を高めようとする動きの一環だ。しかし各社とも短期的にはNvidiaへの依存を維持しながら、長期的な依存度低減を模索するという慎重な姿勢を取っている。AppleとのクラウドAI提携やVirgo Networkによる次世代データセンター構想はGoogleのインフラ優位性をさらに際立たせるものであり、企業ユーザーへのAIフルスタック提供という戦略の加速が鮮明になった。

April 25, 2026

MetaがAWS Graviton CPUを数百万個規模で採用、AIエージェント時代のチップ多様化戦略が加速

概要 MetaはAmazonのAWS Gravitonチップを数百万個規模で調達する大型契約を締結した。Amazonが発表したこの合意は、AIインフラにおけるチップ選択の多様化を象徴する動きとして注目される。GravitonはARM系アーキテクチャに基づくCPU(中央処理装置)であり、大規模モデルのトレーニングに欠かせないGPUとは異なるカテゴリに属する。MetaはこれをAIエージェントを中心とした推論処理基盤として活用する方針だ。 Amazonはこの発表を、Googleが自社製AIチップの新製品を披露したGoogle Cloud Nextの開催期間中に合わせて行った。競合クラウド事業者の大型イベントと同時に発表するという戦略的なタイミングは、AI向けクラウドインフラをめぐる各社の激しい競争を改めて浮き彫りにしている。 AIエージェント時代がもたらすCPU需要 AIエージェントの普及が、チップ市場に新たな需要をもたらしている。これらのエージェントには、リアルタイム推論、コード生成、検索処理、複数ステップのタスクを管理するためのエージェント間調整といった、計算集約型のワークロードが求められる。こうした用途に対し、AWSは最新版GravitonをAI処理に特化して設計しており、GPUが得意とするトレーニングとは異なる領域でその強みを発揮する。 Amazonは別のAI向けチップとしてTrainiumも展開しているが、こちらはAnthropicが10年間・総額1,000億ドルのAWS利用契約を通じて優先的なアクセス権を確保している。そのため、MetaへのGraviton提供はAnthropicのTrainium独占とは別の文脈で位置づけられる。 競争環境と市場への影響 AWS GravitonはNvidiaが投入した新型CPU「Vera」への対抗製品としても注目を集める。ただし、NvidiaはVeraを企業に直接販売するのに対し、AWSはクラウドサービス経由でのみ提供するという違いがある。AWSのAndy Jassy CEOは以前から「AIにおける優れたコストパフォーマンス比を追求する」と強調しており、今回の契約はその方針の具体的な成果といえる。 MetaはすでにGoogleと2025年8月に総額100億ドル・6年間のクラウド利用契約を締結しているが、今回のAWSとの取引はその流れに変化をもたらすものだ。AIインフラの調達先を単一クラウドに集中させず、ワークロードの特性に応じて使い分ける戦略への転換が、巨大テック企業の間で広がりつつある。

April 25, 2026

Kubernetes v1.36リリース — 80件のエンハンスメント、User Namespaces GA・HPAゼロスケールがベータ昇格

概要 Kubernetes v1.36が2026年4月22日に正式リリースされた。今回のリリースは80件のエンハンスメントを含む大型アップデートで、安定版(GA)昇格が18件、ベータ昇格が18件、新規アルファ機能が26件という構成となっている。コンテナセキュリティの強化、GPU・アクセラレータ管理の改善、オートスケーリングの柔軟性向上が主要テーマだ。 主要なGA(安定版)機能 User Namespaces in Pods がついにGA(安定版)に昇格した。v1.25でのアルファ導入から約4年を経ての安定化となる。この機能はコンテナ内のroot(UID 0)を非特権ホストユーザーにマッピングすることでセキュリティ隔離を実現するもので、Podスペックに hostUsers: false を指定するだけで有効化できる。 Mutating Admission Policies もGAに昇格した。CELベースのミューテーションを外部Webhookサーバーなしでkubernetes本体に統合でき、インフラオーバーヘッドと単一障害点の排除を実現する。 OCI VolumeSource のGA昇格も重要な変更だ。OCIイメージをボリュームとしてマウントできるようになり、モデルウェイトや設定ファイル、データセットをアプリケーションコンテナとは独立して配布できる。AIモデルのデプロイにおいて有用な機能となる。 このほかにも 外部ServiceAccountトークン署名(HSMやクラウドKMSへの署名委譲)、DRA向けKubeletPodResources API(GPUなどのリソースをgRPC経由でpod単位に照会)、SELinuxラベル変更の高速化(ファイル単位の再ラベリングからマウント時の一括適用へ)がGAに昇格している。 注目のベータ機能:HPA Scale to Zero HPA(Horizontal Pod Autoscaler)のゼロスケール対応 が待望のベータ昇格を果たし、デフォルト有効化された。2019年のv1.16でアルファ導入されてから実に7年越しの昇格となる。アイドル時にDeploymentのレプリカ数をゼロまでスケールダウンできるため、コスト削減に直結する機能だ。 また、DRAのパーティショナブルデバイスサポート(ベータ)により、NVIDIAのMIG(Multi-Instance GPU)のような分割可能なGPUをスケジューリング時に動的に分割できるようになった。従来の静的な事前設定から脱却し、より柔軟なGPUリソース管理が可能になる。 新規アルファ機能 26件の新規アルファ機能の中で特筆すべきものをいくつか挙げる。 Workload-aware Preemption は分散トレーニングなど、複数のPodが同時にリソースを必要とするワークロードを対象に、Podグループを単一エンティティとして扱うプリエンプション制御を実現する。一部のPodだけがプリエンプトされて処理が中断するような問題を防ぐ。 HPA External Metrics Fallback は、外部メトリクスソースが一時的に障害を起こした際にフォールバック値を使ってオートスケーリングを継続できるようにするものだ。 PVC Last-Used Tracking は status.lastUsedTime フィールドを追加して孤立した永続ストレージボリュームの特定を容易にする。 スケーラビリティ面では Server-side Sharding(クライアントが shardSelector パラメーターで特定データシャードにサブスクライブ)、Graceful Leader Transition(コントロールプレーンコンポーネントのプロセス再起動なしのリーダー移行)、Native Histogram Support(Prometheusネイティブヒストグラム対応)なども追加された。 廃止・削除と移行推奨事項 gitRepoボリュームプラグイン が完全削除された。v1.11から廃止されていたが、今回ついに削除となる。rootコード実行の可能性があるセキュリティ脆弱性が理由で、init containersや外部のgit-syncツールへの移行が推奨される。 IPVS mode in kube-proxy も削除対象となっている。 externalIPsフィールド(Service spec)がv1.36で廃止予定となった(完全削除はv1.43予定)。CVE-2020-8554に関連するMITM攻撃リスクが理由で、LoadBalancer ServicesやGateway APIへの移行が推奨される。 ...

April 22, 2026

SUSEとVultrがSUSECON 2026で戦略的提携——ハイパースケーラーより最大90%低コストの企業向けAIインフラを提供

概要 SUSEとVultrは、SUSECON 2026において戦略的提携を発表した。SUSEのKubernetes管理ソフトウェアとAI運用プラットフォームを、Vultrが世界32リージョンにわたって展開するクラウドコンピューティング・GPU・ベアメタルサービスと統合することで、エンタープライズ向けのオープンクラウドインフラを提供する。今回の提携はハイパースケーラー(AWS・Azure・GCPなど大手クラウド事業者)への依存を回避し、データ主権やコスト最適化を重視する企業のニーズに応えることを狙いとしている。 コスト競争力とパフォーマンス Vultrのインフラは、従来のハイパースケーラーと比較して50〜90%のコスト削減を実現するとされており、直近のベンチマーク結果では「パフォーマンス対コスト比」で82%の優位性が確認されたとしている。GPUアクセスやベアメタルサービス、Kubernetesオーケストレーション機能を組み合わせることで、エージェント型AIアプリケーションの本番運用において高いパフォーマンスを維持しながら運用コストを抑えることが可能になる。 データ主権とグローバル展開 Vultrの「オートノマスゾーン(Autonomous Zones)」は、データを指定したリージョン内に留め置く仕組みを提供しており、各国の規制要件や企業内コンプライアンスポリシーへの対応を容易にする。32リージョンにわたるグローバルカバレッジと組み合わせることで、国際展開を進める企業が地域ごとのデータ残留要件を守りながら分散型AIインフラを運用できる環境を整える。 市場背景と今後の展望 VultrのCMOであるKevin Cochrane氏は「AIの実験の時代から実装の時代へと移行している」と述べており、企業がAIワークロードを本格的に本番環境へ移行する局面で、コスト効率とコンプライアンスを両立できるオープンアーキテクチャの重要性が増していると指摘する。SUSEとVultrの提携は、こうした需要の変化を背景に、大手クラウドへの過度な依存を避けながらグローバルにAIを展開するための選択肢として位置付けられている。

April 22, 2026

NutanixがベアメタルKubernetes管理プラットフォーム「NKP Metal」を発表、2026年後半にGA予定

概要 Nutanixは、仮想化レイヤーを介さずに物理サーバー上でコンテナワークロードを直接稼働させる新しいKubernetesプラットフォーム「NKP Metal Services」を発表した。既存のNutanix Kubernetes Platform(NKP)を拡張する形で提供されるこのサービスは、NKP PROおよびULTライセンスユーザーを対象にアーリーアクセスが開始されており、2026年後半の一般提供(GA)を予定している。従来のVM中心の管理モデルに加え、ベアメタル環境でのKubernetes運用を統一されたオペレーションモデルで実現することが目的だ。 技術的な詳細 NKP Metalの中核となるのが「デュアルネイティブアーキテクチャ」の採用だ。このアーキテクチャにより、コンテナと仮想マシン(VM)の双方をファーストクラスのインフラとして同一の管理インターフェース上で運用できる。これはハイパーバイザー専用あるいはKubernetes専用のシステムとは異なるアプローチで、AIトレーニングやGPU集約型ワークロードを物理ハードウェア上で効率よく実行しつつ、一貫した自動化を維持できる点が特徴だ。 ストレージに関しては2つの統合方式が用意されている。1つはNutanixストレージを利用するためのContainer Storage Interface(CSI)であり、もう1つはベアメタルKubernetesデプロイメントに特化した専用ストレージ「Cloud Native AOS」だ。ユースケースや要件に応じて選択できる柔軟な構成を提供している。 ベアメタルKubernetesの必要性と課題 ベアメタル環境は、仮想化のオーバーヘッドがないためエッジコンピューティングやAIワークロードで高いパフォーマンスを発揮できる。一方で、大規模なベアメタル環境の管理はプロビジョニングやファームウェア更新、各種サービスとの統合において複雑なオペレーションが伴うという課題があった。NKP Metalはこうした運用上の複雑さを解消し、VMやコンテナ、クラウド環境をまたいで一貫した管理体験を提供することを目指している。 アナリストのGuy Currier氏は「NKP MetalはNutanixのプロビジョニング、ライフサイクル管理、ストレージサービスの運用モデルをベアメタルKubernetesにまで拡張するものだ」とコメントしており、Nutanixがインフラ全体での管理一元化を推進する戦略的な取り組みとして位置づけている。

April 21, 2026

Amazon EC2 C8in/C8ibインスタンスがGA、第6世代Intel Xeon搭載で最大600Gbpsのネットワーク帯域幅を実現

概要 AWSは2026年4月16日、Amazon EC2の新世代コンピューティング最適化インスタンス「C8in」および「C8ib」の一般提供(GA)を開始した。両インスタンスはAWS専用にカスタマイズされた第6世代Intel Xeon Scalableプロセッサと最新の第6世代AWS Nitroカードを搭載しており、前世代のC6inと比較して最大43%の性能向上を実現している。最大384 vCPUまで拡張可能で、大規模かつ高負荷なワークロードに対応する。 インスタンスの特徴と用途 C8inとC8ibはそれぞれ異なるI/Oのボトルネックに特化して設計されている。C8inはネットワーク集約的なワークロード向けに最適化されており、最大600Gbpsのネットワーク帯域幅を提供する。分散コンピューティング、大規模データ分析といった用途に適している。一方、C8ibは高性能な商用データベースやファイルシステム向けで、最大300GbpsのEBS帯域幅を持ち、I/O集約型のストレージワークロードに対応する。 利用可能なリージョンと購入オプション C8inは米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジア太平洋(東京)、ヨーロッパ(スペイン)の4リージョンで利用可能だ。C8ibは現時点で米国東部(バージニア北部)と米国西部(オレゴン)の2リージョンに対応している。いずれもオンデマンド、Savings Plans、スポットインスタンスの3つの購入オプションで利用できる。東京リージョンでC8inが利用可能になったことは、日本国内でネットワーク性能を必要とするユーザーにとって特に注目すべき点だ。

April 21, 2026