DigitalOceanがAIエージェント専用のマネージドクラウド基盤「Managed Agents」をプレビュー公開、アイドル時自動停止と1万6000超のツール連携が特徴
概要 DigitalOceanは10月2日、AIエージェントの実行に特化したマネージドクラウド基盤「Managed Agents」をパブリックプレビューとして発表した。クラウドプロバイダーがコンテナやVMを管理してきたのと同じように、長時間稼働するAIエージェントのランタイムと外部ツール連携を代わりに運用するレイヤーを提供する狙いがある。同時期に発表されたDocker Cloud Sandboxesとも直接競合する格好で、AIエージェント向けインフラ市場の競争が一段と激しくなっている。 技術的な詳細 Managed Agentsの中核は「Harness Runtime」と呼ばれる軽量マイクロVMベースの実行環境で、エージェントごとに分離・永続化されたコンピュートとストレージを割り当てる。Claude Code、Codex CLI、OpenCode、Hermes、さらにLangGraphベースの自作エージェントまで幅広く対応し、会話履歴や作業状態を複数セッションにまたがって保持できる点が特徴だ。使用していない間は自動的に一時停止されるため、常時起動させるよりもコストを抑えられる設計になっている。 もう一つの柱が「Action Gateway」で、統一されたMCPエンドポイントを介してWeb検索、Webフェッチ、ブラウザ自動化、GitHub、HubSpot、Stripeなど1万6000以上の外部ツールにアクセスできる。セキュリティ面では、どのツール・操作を実行できるかを集中管理する権限制御の仕組みに加え、機密性の高い操作には人間の承認を必須とするワークフローを組み込んでいる。さらにレート制限、リトライ、バックオフ、タイムアウトといった運用上の安全弁も備え、エージェントが暴走して外部サービスに過剰な負荷をかけることを防ぐ構成だ。 評価と競合との位置づけ 元Meta AIエンジニアでDair.ai創設者のElvis Saravia氏は、多くのエージェント管理プラットフォームがコスト面で課題を抱える中、Managed Agentsがパフォーマンスとコスト削減に焦点を当てている点を評価した。Seaotter創設者のRyan Martin氏も、アイドル時の自動一時停止と管理されたツール群の組み合わせを「拡張性のある運用パターン」として好意的に受け止めている。 競合として名前が挙がるDocker Cloud Sandboxesも同様にマイクロVMによる分離と永続性を特徴とするが、DigitalOceanはプロダクション運用を見据えた基盤として位置づけているのに対し、Dockerは開発ワークフロー寄りという違いがある。今後はツール連携の広さや課金体系、セキュリティ機能の充実度が選定の分かれ目になりそうだ。