概要
GMOインターネットグループが提供するFX自動売買ソフト向けVPSサービス「お名前.com デスクトップクラウド」で、第三者による不正アクセスが発生し、最大2万6,739台の顧客サーバーに不正プログラムが設置されていたことが判明した。同サービスは月額2,640円からMetaTraderなどのFX自動売買ソフトをクラウド上で24時間稼働させられる点が特徴で、累計契約数は20万件を超える。GMOは10月20日に不正プログラムの設置を確認し、被害拡大を防ぐため10月21日午前4時以降、全プランのサーバーを順次停止する措置に踏み切った。
被害の広がりとFX口座の不正利用
サーバー内に保管されていたID・パスワードなどの情報が閲覧された可能性があるとされ、GMOは利用者に対し速やかなパスワード変更を呼びかけている。一方でクレジットカード情報は別システムで管理されており、漏えいの対象には含まれていないという。さらに深刻なのは、攻撃者がMetaTraderなどが稼働する環境に侵入し、FX取引口座の認証情報を窃取して不正な取引を行った実例が複数報告されている点だ。これにより、サーバーの侵害が単なる情報漏えいにとどまらず、利用者の金融資産に直接的な実害を及ぼす事態に発展している。GMOは現時点で「預かっている利用者の個人情報の漏えいや、閲覧された情報が悪用された事実は確認していない」としているが、調査は継続中で全容はまだ明らかになっていない。
GMOの対応と今後の見通し
GMOは10月20日に緊急メンテナンスを実施した後、21日に全プランを停止し、セキュリティ専門会社と連携して調査を進めている。利用者にはパスワードの変更に加え、二段階認証の設定やセッションの切断を要請しており、フィッシングなど便乗した詐欺への注意も喚起している。攻撃の侵入手法については各報道とも具体的な説明がなく、現時点で未解明のままだ。サービスの再開時期も未定で、GMOは確定した段階で公表する方針を示している。VPS上で自動売買ソフトを稼働させるという同サービスの性質上、認証情報が盗まれれば直ちに金融取引に悪用され得ることが今回の事案で浮き彫りになり、同種のクラウド型トレーディング環境全般における認証保護の強化が今後の課題となりそうだ。