概要
日本経済新聞社は10月16日、システム開発用に利用しているクラウドサービスへの不正アクセスにより、約183万件の個人情報が漏えいしたと発表した。同社によると、クラウドサービスにアクセスするための認証情報が何らかの手段で窃取され、これを使って10月7日未明から朝にかけて不正アクセスが行われたという。具体的にどのような経路で認証情報が窃取されたかは明らかにされていない。
漏えいの内容と規模
漏えいしたとされる約183万件のうち、氏名・メールアドレス・住所・電話番号・生年月日のいずれかを含み個人を特定できる情報は約15万件で、このうちメールアドレスを含むものは約12万件にのぼる。残りの約168万件は、こうした個人特定情報を含まない識別子のみのデータだという。個人を特定できる情報の割合は全体の一部にとどまるものの、メールアドレスを含むデータが十数万件規模で流出した点は、なりすましやフィッシングなど二次被害のリスクにつながる懸念がある。
日経新聞社の対応
同社は不正アクセスの発覚後、侵害に使われた認証情報を無効化したとしており、現在も被害範囲の詳細について調査を続けている。影響を受けた対象者には個別に連絡するとしており、今後調査の進展に応じて漏えい件数や内容が更新される可能性もある。システム開発用クラウドという、報道機関の基幹システムとは一線を画す環境であっても、認証情報の窃取を起点に大規模な情報漏えいに至った今回の事案は、サプライチェーンや開発環境を狙った攻撃への対策強化の必要性を改めて示す結果となった。