概要
出会い系アプリ大手Bumbleは、Ravi GuptaとJohn Hegemanが率いるテクノロジー持株会社Ithaca Holdingsに買収されることで合意した。取引は1株6.05ドル、総額約13億ドルの全額現金型で、買収交渉が公になる前の株価に対して138%のプレミアムが付けられている。これにより、Bumbleは2021年のNasdaq上場以来、約5年で再び非公開企業となる見通しだ。取引に株主承認は不要で、Blackstone関連ファンドと創業者Whitney Wolfe Herdの支持によって独立取締役委員会が承認した。Wolfe Herdはこの決議において投票を棄権している。
低迷する業績とオンラインデーティング市場の再編
今回の買収は、Bumbleの業績悪化とオンラインデーティング業界全体の構造的な低迷を背景にしている。Bumbleは2021年の上場時には約140億ドルの評価を得ていたが、2026年第2四半期の収益は前年同期比15.2%減の2億1,100万ドルに落ち込み、有料ユーザー数も同16.4%減の320万人まで縮小した。スワイプ主体のマッチングモデルに対する利用者の飽きや不満が広がる中、同様の課題は業界全体に及んでおり、オンラインデーティング市場全体が「リセット」を迫られている状況だとTechCrunchは報じている。
経営体制と今後の戦略
買収後はIthaca Holdingsの共同創業者であるGuptaとHegemanがBumbleの共同CEOに就任する。創業者のWolfe Herdは経営から退くわけではなく、「Ithacaはわれわれのビジョンを共有し、女性ファーストの使命を信じるパートナーだ」と述べ、引き続き事業に積極的に関与していく方針を示した。GuptaとHegemanも「次の時代へBumbleを引き上げる大きな可能性を見出している」とコメントしている。本社機能は従来通りテキサス州オースティンに置かれる予定だ。
Bumbleはすでに業績回復に向けた新機能投入を進めており、2026年7月には現実世界での活動を通じた出会いに焦点を当てた新機能「Plans」を発表、同年にはAIアシスタント「Bee」を投入し、8月には男性側からもメッセージを送信できるよう仕様を変更した。非公開化によって四半期ごとの業績公表に伴う市場からの圧力が軽減されれば、こうした製品面での試行錯誤をより長期的な視点で進められる可能性があり、今後Ithaca Holdingsの下でBumbleがどのような製品戦略を描いていくかが注目される。