概要
Microsoftは10月13日、.NET 11のリリース候補第2版(RC2)を公開した。RC2はGo-liveライセンスの対象となっており、本番環境での利用が推奨される段階に入った。正式リリースに向けて機能はほぼ固まり、SDK・ランタイム・ライブラリ・各フレームワークにわたって細かな改善が加えられている。SDKはget.dot.net/11から入手でき、Visual Studio 2026 InsidersやC# Dev Kit拡張を備えたVisual Studio Codeで試すことができる。
主な新機能
ライブラリ関連では、CBORデータを逐次的に読み取れる機能が追加され、大きなバイナリデータをメモリ効率よく処理できるようになった。暗号分野では、実験的なML-KEMとHPKEを組み合わせたポスト量子暗号(PQC)のコンポジット群が導入され、将来の量子コンピュータによる脅威に備えた暗号実装の検証が可能になっている。また、DataAnnotationsの検証メッセージをカスタム引数でフォーマットできるようになり、HTTP/2の同時実行性に関する初期設定も構成可能になった。
SDK側では、ファイルレベルディレクティブで引用符を扱えるようになり、launchプロファイルの引数からMSBuildプロパティを参照できるようになった。MSBuildのワイルドカードマッチング処理も高速化されている。NuGetではCLIからパッケージの最小公開年齢を設定できる機能が加わり、サプライチェーンのセキュリティ強化に資する改善となっている。
フレームワーク別の改善
.NET MAUIでは、XAMLを使わずC#だけでUIを構築できる機能が追加され、Appleのアイコンコンポーザーアセットへの対応やXAMLオーサリング・Hot Reloadの改善も行われた。ASP.NET Coreでは、QuickGridの仮想化APIが実験段階を卒業し、正式な機能として利用できるようになっている。Windows Formsではビジュアルスタイルやアクセシビリティ設定変更への反応性が向上し、フォーム表示の遅延化やKioskModeManagerコンポーネントが新たに追加された。F#ではランタイム非同期サポートと計算式内での再スロー機能が加わり、FSharp.Coreコレクションのメモリ効率やNative AOT・トリミング対応も改善されている。ランタイム面では、iOSおよびtvOS上でのファイルロック機能がデフォルトで無効化された。
今後の見通し
RC2の公開によって.NET 11は正式リリースに向けた最終調整の段階に入ったとみられる。Go-liveライセンスの適用により、企業ユーザーは正式版の提供を待たずに本番環境での採用を検討できる。今回の記事では正式リリースの具体的な日付は明らかにされていないが、例年のリリースサイクルを踏まえると11月の正式公開が見込まれる。