概要
Microsoftは10月14日、Visual Studio Codeの最新版「1.142」をリリースした。今回の目玉は、AIエージェントとユーザーが同じ成果物を並行して編集・検査できる新機能「Canvases」のプレビュー追加で、チャットパネルの横にKanbanボードやタスク管理といった形式のインタラクティブなインターフェースを表示し、エージェントとの協業をチャットのテキストだけに頼らず視覚的に進められるようにする。これに加えて、進行中のチャットセッションをGit Worktreeなど別のローカルフォルダへ会話履歴ごと移動できる機能や、Copilotチャットハーネスの既定化など、エージェント体験まわりの強化が目立つリリースとなった。
Canvasesプレビュー
Canvasesは設定chat.canvases.enabledを有効にし、Copilotハーネスを使った新規セッションで利用できるプレビュー機能。チャットで/create-canvasコマンドを実行することで新規キャンバスを作成できるほか、GitHub Copilotアプリから既存のキャンバス用プラグインをインストールして呼び出すこともできる。生成されたキャンバスはVS Codeのエディタ領域とエージェントウィンドウの両方に表示でき、ユーザーとエージェントが同一のアーティファクトをリアルタイムに検査・更新できる点が特徴だ。従来のチャットベースのやり取りでは進捗や構造を把握しづらかったタスク管理やプランニングのような作業を、より構造化された形で共同編集できるようにする狙いとみられる。
チャット履歴を保持したワークツリー移動
もう一つの注目機能が、進行中の会話をそのままGit Worktreeなど別のフォルダへ移せる仕組みだ。この移動はCodexハーネス(またはCodexのInteractiveモード)を使い、1つのチャットが1つのローカルフォルダに紐づくセッションに限って利用できる。ユーザーが「Continue this task in a new Git worktree of the current repository before implementing it.」のような自然言語の指示を出すだけで、エージェントが新しいワークツリーを用意し、チャット履歴を保持したまま作業を引き継ぐ。移動先のワークツリーで編集やコマンド実行を行っても元のチェックアウトには影響しないため、実験的な変更を本流のブランチから隔離しつつ、同じ文脈でエージェントとのやり取りを継続できる。
Copilotハーネスの既定化とその他の変更
Copilot SDKベースのチャットハーネスは、新規セッションの既定として段階的な展開が始まり、ハーネス選択UIにも「Copilot」の表示が追加される。これまで提供されていた読み取り専用の「Ask」エージェントは、ユーザーからのフィードバックを受けてCopilotハーネス内に再導入された。このほか、モデルピッカーがCopilotとBYOK(Bring Your Own Key)のモデルをタブで分離するインターフェースに刷新され、ホバー操作で思考レベルやコンテキストサイズを設定できるようになったほか、実行中のバックグラウンドシェルを表示して不要な処理を「Stop Shell」で中断できる機能、uvで管理されたPython環境の自動検出、Markdownエディタでの画像貼り付けやファイルリンクのリネーム(F2)対応など、エディタ・開発体験の細かな改善も多数含まれている。企業向けにはポリシー設定時にローカル実行からCopilot Agent Hostへ自動移行する管理機能も追加された。