概要
Microsoftは10月7日、Visual Studio Codeの最新安定版1.141をリリースした。目玉となるのは、AIコーディングエージェントの実行環境を制限する「サンドボックス」機能と、複数のエージェントセッションを同時に比較・監視できるグリッドレイアウトの2点で、いずれもCopilotなどのエージェント活用が本格化する中での安全性・生産性向上を狙った機能強化となる。
エージェントサンドボックス機能
新設定chat.agent.sandbox.enabledにより、エージェントが実行する操作のファイルアクセスおよびネットワークアクセスを制限できるようになった。対応プラットフォームはWindows、macOS、Linuxの3つで、Windowsでは機能を使うためにシステムアップデートが必要となる。制限はOSが提供する保護メカニズム、またはエージェントホスト内のプロセスチェックによって実装されており、ローカルセッションではマシン上で、リモート接続時はリモートホスト側で制限が適用される。サンドボックスが有効な場合、MCPサーバーや言語サーバーにもデフォルトで適用される。セッション単位では「Permissions」メニューの「Sandboxing for terminal」トグルで個別に制御することも可能だ。
この機能が想定する脅威は、モデルの誤動作やプロンプトインジェクション、検証されていない依存関係経由での意図しないファイル操作・外部通信であり、エージェントに広い権限を与えつつも被害範囲を限定する狙いがある。エンタープライズ向けには、ポリシーでサンドボックスを強制し迂回を禁止する"sandbox": {"enabled": true, "allowBypass": false}設定も用意され、組織全体でのセキュアな運用を後押しする。
マルチセッション比較とその他の変更
「Agents」ウィンドウには2次元グリッドレイアウトが導入され、複数のエージェントセッションを水平・垂直分割で並べて表示できるようになった。各ペインはリサイズ可能で、フォーカス時には個別セッションを最大化して詳細を確認できる。複数タスクを並行してエージェントに任せる使い方が広がる中、進行状況を一覧しながら比較検討できる点は実用上のメリットが大きい。ネストされたセッションも独立した未読ステータスと最終更新時刻を表示するほか、環境(ローカル/クラウド/リモート)やハーネス種別、作成アプリ単位でのセッションフィルタリングも強化された。
GitHub Enterprise関連では、新設定github-enterprise.urisによりGHE.comおよびGitHub Enterprise Serverの複数インスタンスを同時に扱えるようになり、アカウント表示にもホスト情報が付与されて識別しやすくなった。従来の単一インスタンス向け設定github-enterprise.uriは非推奨となるが、既存の認証情報は初回起動時に自動移行される。その他にも、非アクティブなワークツリーのディスク使用量を確認・削除できる「Chat: Open Worktree Cleanup」コマンド、実行中のバックグラウンドシェルを一覧表示する機能、ChatGPT/Codex CLIとのチャット履歴を保持したハンドオフなど、エージェント運用を日常的に支える細かな改善が多数加えられている。