概要
オープンソースのAndroidカスタムディストリビューション「LineageOS」プロジェクトは10月11日、最新版「LineageOS 24.0」を公開した。Android 17をベースとし、Google Pixel(Pixel 10シリーズを含む)、OnePlus、Motorola、Fairphone、Nothing、ASUSなど多数のメーカーの対応端末向けに提供される。今回の最大の注目点は、WebUSB技術を用いたブラウザ経由のイメージ書き込み(フラッシュ)ツールの追加で、これまで必須だった専用のデスクトップ用フラッシュユーティリティをインストールしなくても端末へのインストールが行えるようになった。
ブラウザ経由フラッシュツールとシステムの改善
新たに公開されたflash.lineageos.orgは、対応するWebブラウザから端末と直接通信できるツールで、ADBやFastbootに加えて、AmlogicのBurnプロトコルやSamsungのOdinプロトコルにも対応する。これにより、Windows・macOS・Linuxを問わず、ブラウザさえあれば端末のセットアップが完結する体験を目指している。あわせて、A/Bパーティション採用端末向けにストリーミング更新がデフォルトで有効化され、更新のインストール時間が大幅に短縮された。
デザイン面では、Material Design 3 Expressiveのデザイン言語が各アプリに統合され、Updaterアプリは刷新されたUIとわかりやすいインストール情報表示に変更された。Android TV向けランチャーのCatapultはアニメーションとアイコンが一新され、SetupWizardのオンボーディング画面やアニメーションも改善されている。新規機能としては、トリミングやホワイトバランス調整、フィルター適用に対応したCanvas Image Editorが追加され、既存の写真アプリ群を補完する。音楽プレイヤーのTwelveはライブラリ読み込みの高速化と新しいアクティビティビューを獲得し、ブラウザアプリのJellyはPWA風のアプリ対応を追加した。EtarカレンダーやSeedvaultバックアップも最新版に更新されている。
セキュリティとサポート対象、今後の展望
セキュリティパッチは2025年8月分から2026年10月分までを取り込んでいる。一方、Linuxカーネル4.4および4.9を採用する端末については、LineageOS 24.0での新規サポートを受け付けず、サポートはバージョン22.2までに限定される点は留意が必要だ。なお実験的な取り組みとして、x86-64 PCやApple Silicon搭載Mac、Snapdragon X搭載ノートPC、NVIDIA DGX Sparkといった非標準ハードウェアでの起動にも初期的に成功しているという。ブラウザベースのフラッシュツールはプラットフォームを問わないインストール体験の民主化につながるものであり、カスタムROMコミュニティにおける導入障壁を下げる取り組みとして注目される。