概要

さくらインターネットは10月8日、GPUサーバを専有利用できる月額定額制のマネージドAIサービス「さくらのAI Engineプライベートエディション」の提供を開始した。従来の「さくらのAI Engine」が従量課金型でトークン消費量に応じて課金されるのに対し、プライベートエディションはGPU単位の月額定額制を採用し、利用量を気にせず安定したコストでAIサービスを運用できる点が最大の特徴だ。独自に開発した大規模言語モデルやファインチューニング済みのモデル、オープンウェイトモデルなど、さまざまなAIモデルを専有環境上でマネージドサービスとして展開できる。

GPU専有とセキュリティ面での特徴

同サービスはGPUサーバを他社と共有せず専有できるため、入力データやモデル資産を外部に出さずに運用することが可能になる。国内データセンターで稼働し、閉域接続にも対応することから、機密情報を扱う社内業務や、顧客データを扱う自社サービスへのAI組み込みなど、セキュリティ要件の厳しい用途を想定したユースケースが想定されている。AI基盤の構築・運用をさくらインターネットに任せることで、利用企業はアプリケーション開発や業務活用そのものに集中できるとしている。なお、記事中では具体的なGPUの機種や個別の対応モデル名は明らかにされておらず、料金の詳細についても個別の問い合わせが必要とされている。

背景と今後の展望

近年、企業における生成AI活用が進む一方で、API利用のトークン量に応じた従量課金はコストの予測が難しく、特に大規模な利用を前提とする企業にとっては予算管理上の課題となっていた。さくらインターネットは専有・定額型のサービスを用意することで、コスト予測のしやすさと、機密情報を外部に出さない安全性の両立を図る狙いがあるとみられる。すでに同社は従量課金型の「さくらのAI Engine」を展開しており、今回のプライベートエディションはその上位・補完的な選択肢として位置づけられる。今後、国内企業のAI活用がさらに広がる中で、セキュリティとコストの両面を重視する企業からの需要が見込まれる。