概要

ブルックリン拠点のAIスタートアップReflection AIが10月5日、新たなオープンウェイトモデル「Beam」を発表した。Beamはテキスト専用の混合専門家(MoE)構成を採用し、総パラメータ数は5010億、推論時に活性化するのは230億パラメータという設計だ。23.8兆トークンによる事前学習と高計算強化学習を経ており、コンテキストウィンドウは100万トークンに達する。Reflection AIは、推論タスク・コーディング・エージェント機能に最適化した「汎用モデル」と位置づけつつ、推論に必要な計算量を中国製の主要オープンモデルに比べて3〜4倍抑えながら同等の性能を発揮すると主張している。

中国勢との比較と計算コストの主張

比較対象として名前が挙がるのはZ.aiの「GLM-5.2」で、総パラメータ数は約7440億(アクティブ400億)とBeamより大きい。Reflection AIは、Beamの性能がGLM-5.2に相当し、西洋の最先端モデルを上回ると主張する一方、推論時間計算は「分数」で済むとしている。ただし、こうした性能主張について独立した第三者による検証は行われておらず、具体的な価格設定も現時点では開示されていない。それでもBeamは、DeepSeek・Qwen・Z.aiといった中国製オープンモデルの存在感が強まる中で、西洋発の対抗馬となり得る存在として注目されている。

会社の背景と展開計画

Reflection AIは2024年、Google DeepMindの元研究者2名が設立したスタートアップで、これまでに47億ドルを調達し、直近ラウンドでは250億ドルの事前評価額をつけている。主要投資家にはNvidia、Sequoia Capital、Lightspeed Venture Partnersが名を連ねる。計算資源の確保にも積極的で、SpaceXとは60億ドル超、Nebiusとは10億ドル規模の契約を結び、2029年までNvidia GB300チップへのアクセスを確保した。

Beamの重みと技術的詳細は10月中に公開され、ハイパースケーラーやネオクラウド経由での配布が始まる予定だ。Reflection AIは企業が自社の専有データでカスタムAIシステムを構築する「AI Factory」構想を主要なターゲットとしており、すでに韓国のShinsegaeグループと主権AI工場パートナーシップの試験運用を進めている。中国製モデルとの性能差が独立検証されるかどうか、またBeamが実際のコスト優位性を市場で示せるかどうかが、今後の評価の分かれ目になりそうだ。