株価は過去最高値、6兆ドルまで約4%

Nvidiaの株価が10月5日に過去最高値となる238.90ドルで取引を終え、時価総額は約5.8兆ドルに達した。年初来では28%上昇し、市場価値に1.2兆ドルを積み上げた計算になる。これにより、史上初となる時価総額6兆ドル企業への到達まで残り約4%に迫っている。同時にNvidiaは、企業史上最大規模となる1500億ドルの追加株式買戻しを発表した。ジェンスン・フアンCEOは同社を「世界で唯一のグロース・バリュー株」と表現し、買戻しは「今後の長期的な成長機会への自信を反映したもの」と説明している。注目すべきは、forward PERが約17倍と過去10年で最も低い水準にあり、S&P 500全体の19倍を下回っている点だ。2026年には半導体セクター全体が86%上昇し、Micron、Marvell、Intelといった競合は200%を超える株価上昇を記録しているが、世界最大の上場企業であるNvidiaにとって、同規模の株価変動を起こすことの難しさが改めて浮き彫りになっている。

業績見通しの強さが株価を支える

今回の株価上昇を後押ししているのは、既存予想を上回る業績見通しだ。2028年度の売上高成長率は従来予想の45%から70%へ上方修正され、2027年度には売上高が90%、純利益は2倍に拡大すると見込まれている。直近四半期の調整後1株当たり利益(EPS)は前年同期比120%増、売上高は962億ドルで前年同期比106%増と、AI需要を背景にした高成長が続いている。市場関係者は、こうしたAI関連需要が金利上昇の影響を受けにくいとみており、経済不確実性が高まる中でNvidiaを相対的に「ディフェンシブ」な銘柄と位置付ける声も出ている。

過去の兆ドル企業マイルストーンが示す教訓

一方で、The Motley Foolは「兆ドル単位のマイルストーン到達自体には大きな意味がない」と指摘する。過去の例を振り返ると、Appleは時価総額1兆ドル到達後の1年間でリターンがマイナス2%、2兆ドル到達後はプラス27%、3兆ドル到達後はマイナス31%と大きく振れた。Nvidia自身も、4兆ドル到達後の1年間は25%上昇しS&P 500を上回ったが、5兆ドル到達後は11か月時点で15%の上昇にとどまっている。過去5件のマイルストーンのうち、S&P 500を上回ったのはわずか2回だけで、リターンの範囲はマイナス31%からプラス27%までと極めて広い。著者は、節目となる時価総額そのものより、その後の利益成長率とPERの変化こそが株価の行方を左右すると強調している。

今後の見通し

現在のNvidiaのPERは2028年度予想利益ベースで約15倍とされ、著者はこれを「投資家が成長性に対して過度に高い対価を払っていない」水準と評価する。データセンター投資の減速が最大のリスク要因とされるものの、それを除けば株価の上昇余地は大きいとの見方が示されている。6兆ドルという節目が達成されるかどうかよりも、今後の決算で示される実際の利益成長とバリュエーションの変化が、Nvidia株の真の試金石になりそうだ。