概要

UAEのMubadala Investment Companyが出資するGlobalFoundriesとTSMCは、AIチップの先進パッケージングに用いるシリコンインターポーザを米ニューヨーク州Maltaの工場で生産する、5年・20億ドル規模の契約を締結した。延長オプションも含まれる。発表を受けGlobalFoundriesの株価は2.8%上昇し49.44ドルとなった。GlobalFoundries幹部のEd Kaste氏は「先進パッケージングは、次世代AIシステムが求める性能、電力効率、スケールを実現する上でますます重要になっている」と述べている。

シリコンインターポーザとは何か

シリコンインターポーザは、ロジックチップとメモリの間に置かれ、チップ間通信を従来のパッケージング手法よりも高速・低電力で実現する部品だ。高帯域幅メモリ(HBM)を多用するAIアクセラレータやGPUの先進パッケージングには不可欠な構成要素となっている。GlobalFoundriesは自社の米国内製造基盤を使ってこれを供給する計画で、量産開始は早くても2028年前半を見込む。GlobalFoundriesはMalta工場の拡張も計画しており、需要の増加に応じて生産能力を積み上げていく方針だ。

米国内サプライチェーン構築という狙い

この提携は、米国の半導体製造における重要なボトルネックの解消を狙っている。これまで米国内の工場で処理されたチップは、先進パッケージングのために台湾へ輸送され、再び米国へ戻すという、コストと時間のかかる往復を余儀なくされていた。TSMCはトランプ政権下で発表した1000億ドル規模の米国投資をすでに進めており、今回の契約はその流れに沿うものだ。背景には、半導体製造とAI分野での優位性をめぐる米中の競争激化もある。なお、TSMC製チップと互換性のある先進パッケージング技術はIntel Foundryも提供しており、新工場の立ち上げ待ちを避けたいメーカーにとっては代替の選択肢となる。

今後の見通し

今回の提携は、AI向け先進パッケージングにおける台湾依存を減らし、米国内で完結するサプライチェーンを築く取り組みの一歩と位置づけられる。量産は2028年前半以降の見込みで、GlobalFoundriesは需要拡大に合わせてMalta工場の生産能力を拡張する計画だ。AIチップ需要の高まりが続く中、両社がこの先進パッケージング分野での存在感をどこまで強められるかが注目される。