概要
SonicWallは10月7日、Secure Mobile Access(SMA)1000シリーズアプライアンスに存在する4件の脆弱性を修正するホットフィックスを公開した。最も深刻なCVE-2026-102255はCVSS10.0の認証前SSRF(サーバーサイドリクエストフォージェリ)で、WorkPlaceインターフェースに細工したリクエストを送るだけで、認証なしの遠隔攻撃者がアプライアンスに代わってリクエストを発行させ、内部機能に到達して権限のない操作を実行できる。現時点でこれらの脆弱性が実際に悪用された証拠は確認されていないが、SonicWallは管理者に対し早急な対応を強く推奨している。
脆弱性の詳細
CVE-2026-102255は、WorkPlaceインターフェースに存在する「意図しない代替アクセスパス」の弱点を悪用するもので、認証やユーザーの操作を必要とせず、攻撃の複雑さも低い。インターネットに公開されたポータルに向けて細工したリクエストを送信するだけで、アプライアンス内部の機能に到達できてしまう点が特に危険とされる。
同時に修正された残り3件は、いずれも管理者権限での認証を前提とする。CVE-2026-102256(CVSS7.8)はSMA1000アプライアンス本体でのOSコマンドインジェクションで、遠隔コード実行につながる。CVE-2026-102257(CVSS7.2)はAMC(Appliance Management Console)における「Zip Slip」型のパストラバーサルで、これも遠隔コード実行を許す。CVE-2026-102258(CVSS5.5)はAMC上の格納型クロスサイトスクリプティングだ。
対象製品と対応状況
影響を受けるのは物理・仮想のSMA1000シリーズ(6210、7210、8200v)で、バージョン12.4.3-03526以前および12.5.0-02952以前が該当する。SonicWallはそれぞれ12.4.3-03670以降、12.5.0-03082以降で修正済みのビルドを提供しており、MySonicWallポータルから入手したホットフィックスを適用するとアプライアンスが再起動して反映される。なお、この脆弱性はSMA100シリーズやSonicWallファイアウォール上のSSL-VPN機能には影響しない。
背景と今後の見通し
SonicWallのSMA1000 WorkPlaceを舞台にしたCVSS10.0のSSRF脆弱性は、今年に入ってすでに3件目となる。7月のCVE-2026-15409/15410、9月のCVE-2026-83548/83549はいずれもゼロデイとして実際に悪用されていた経緯があり、今回のCVE-2026-102255も同様のパターンを踏む可能性への警戒感が強い。セキュリティ監視団体Shadowserverの調査では、インターネットに露出したSMA1000アプライアンスが400台以上確認されている。これらのアプライアンスは政府機関、マネージドサービスプロバイダー、大企業のVPNアクセスに広く使われており、CISAは19件のSonicWall関連脆弱性を実際に悪用されたものとしてリストに挙げ、そのうち13件はランサムウェア攻撃と関連付けられている。こうした経緯を踏まえ、SMA1000を運用する組織は悪用証拠の有無にかかわらず、速やかにホットフィックスを適用することが求められる。