概要
AWSは10月8日、ホワイトハウスが推進する科学研究イニシアチブ「Genesis Mission」の拡大を支援する新プログラム「Golden Age of Science Accelerator」を発表した。米連邦科学機関とその研究パートナーを対象に、3年間で最大5000万ドル相当のクラウドクレジットを提供する内容で、AI活用による科学研究の加速を目的としている。トランプ政権がGenesis Missionの対象機関をさらに14の連邦機関分拡大する計画を進める中、AWSはそのインフラ基盤を担う形で名乗りを上げたことになる。
Genesis Missionとの関係
Genesis Missionは、AIを活用して科学研究のスピードと規模を飛躍的に高めることを目指すホワイトハウス主導の取り組みで、今回の拡大により参加する連邦機関の数が大幅に増える見通しだ。AWSの「Golden Age of Science Accelerator」はこの拡大に合わせて設計されており、対象機関や研究パートナーが抱える科学研究およびAI関連のワークロードを、クラウドクレジットという形で直接支援する。AWS担当副社長のDavid Appelは、「研究者がアイデアを思いついてから、それをスケーラブルな実装へ移すまでの期間を数日単位に短縮できるよう支援することが目標だ」と述べ、研究の実験段階から本格運用までを一気通貫で後押しする狙いを説明している。
提供内容と申請の仕組み
対象となるのは米連邦科学機関、その研究パートナー、そしてGenesis Missionに参加する連邦機関で、希望する機関はまず「Government Accelerator Initiative Portal」に登録し、その後AWSとの個別相談を経て選定されるプロセスを取る。クレジットの金額は最大5000万ドルで、提供期間は3年間とされている。具体的な配分方法や個別機関への割当額は明らかにされていないが、申請から選定までのプロセスを設けている点から、全機関に一律で提供するのではなく、研究内容や規模に応じて重点的に配分する方針とみられる。
政府関連投資の積み重ねという文脈
今回の発表は、AWSが米政府関連で続けてきた大型投資の一環として位置づけられる。2025年8月には米連邦調達庁(GSA)とのOneGov契約で最大10億ドル規模の合意を結び、同年11月にはAIおよびスーパーコンピューティング基盤への最大500億ドル投資を発表していた。さらに2026年2月には国防・科学分野向けに最大1億ドルのクレジットを提供し、同年6月には米インテリジェンスコミュニティ向けに最大10億ドルのクレジットを発表するなど、政府機関のAI活用を後押しする動きを段階的に積み重ねてきた。今回の「Golden Age of Science Accelerator」もこの流れに沿ったもので、米政府とクラウド大手の連携が科学研究分野にも一段と広がっていることを示している。