概要
Googleは10月6日、画像生成・編集モデル「Nano Banana 2.1」を発表した。2026年2月にリリースされた前身「Nano Banana 2」を置き換えるもので、Gemini 3.6 Flashを基盤とするFlash級の高速モデルながら、視覚デザイン、マスクベースの編集、被写体の一貫性、文字描画の精度など全面的に品質が向上したという。最大の特徴は、品質向上にもかかわらずAPI料金がほぼ半額に引き下げられた点で、標準1K画像は1枚あたり0.067ドルから0.0336ドルへ、4K画像は0.151ドルから0.0756ドルへと値下げされた。2Kは0.0504ドル。これらは標準料金で、画像1,000枚あたりのコストは67ドルから約33.60ドルまで下がる。バッチ処理を使えばさらに50%の追加割引が適用され、約16.80ドルまで下がる。新モデルはGeminiアプリ本体、Google検索のAIモード、開発者向けのGoogle AI Studio、Flow、Stitch、Google Ads、Enterprise Platformなど幅広いプロダクトに展開されており、旧モデル「gemini-3.1-flash-image」は2026年10月29日に提供終了となる予定だ。
性能とベンチマーク
Googleが公開した自社評価によると、Nano Banana 2.1はテキストから画像を生成する際の品質を示すELOスコアで1,050点を記録し、前モデルのNano Banana 2(990点)や、より上位モデルのNano Banana Pro(935点)を上回った。インフォグラフィックの正確性を測る指標では0.521を記録し、前モデルの0.179から大幅に改善している。ただしこれらの数値はGoogle自身による評価であり、第三者による独立した検証結果は発表時点では公開されていない。実際の出力品質については、より重い処理を行うNano Banana Pro(1K画像0.134ドル)が依然として優位な場面もあるとされ、価格と品質のバランスで両モデルを使い分ける設計になっている。
技術的な詳細
Nano Banana 2.1は1K・2K・4K(TV品質に相当する解像度)の出力に対応し、最大8:1というパノラマ的なアスペクト比もサポートする。参照画像は最大14枚まで同時に処理でき、最大4人の人物と10個の物体について、複数回の編集や会話の往復を経ても一貫性を保てるという。処理の深さは「minimal」「medium」「high」の3段階のThinkingレベルから選択可能で、用途に応じて品質と速度のトレードオフを調整できる。また、テキストのレンダリング精度向上、インフォグラフィック生成、Google検索・画像検索と連携したグラウンディング機能も備えており、単なる画像生成だけでなく実世界の情報に基づいた画像編集・生成タスクへの応用を見据えた設計となっている。
価格面での大幅な引き下げは、開発者が大量の画像生成APIコールを行うプロダクトにとって特に影響が大きく、今後はコスト効率を重視したアプリケーションでの採用が進むと見込まれる。一方で、品質面での優位性が大きい場面ではNano Banana Proの併用が続くとみられ、Googleは用途に応じたモデルの選択肢を拡充する戦略を続けている。