概要

Vite、Vitest、Rolldown、Oxcを手がける開発チームは9月28日、Node.js開発に必要なツール群を単一のコマンドラインインターフェース「vp」に統合した「Vite+ 1.0」を正式リリースした。MITライセンスの完全なオープンソースとして公開されており、既存のVite/Vitestエコシステムとの互換性を保ちながら、プロジェクト作成からパッケージ管理、開発サーバー、リント・フォーマット、テスト、ビルド、Node.jsバージョン管理までを一元化する。開発チームはVite+を「フレームワークでもパッケージマネージャーでもない」とし、既存ツールを置き換えるのではなく、検証済みの組み合わせとして連携させる「テスト済みスタック」であると位置づけている。採用はすでに進んでおり、週間ダウンロード数は200万に迫り、2,600以上の公開リポジトリが依存関係として採用しているという。Dify、BlockNote、Inkline、hono、Tiptapといったプロジェクトでの利用も報告されている。

統合された9つのコマンドと技術基盤

Vite+はvp create(プロジェクトスキャフォルディング)、vp install(依存関係インストール)、vp dev(開発サーバー)、vp check(フォーマット・リント・型チェック)、vp test(ユニット/コンポーネント/ブラウザテスト)、vp build(本番ビルド)、vp pack(ライブラリビルドおよびバイナリ生成)、vp run(モノレポ対応のタスク実行)、vp env(Node.jsバージョン管理)の9コマンドで構成される。開発サーバーとビルドにはVite 8とRolldownを、フォーマット・リントにはRust製のOxfmtとOxlintを、テストにはVitestを、ライブラリビルドにはtsdownをそれぞれ採用しており、設定はプロジェクトごとの単一のvite.config.tsに集約できる。vpを引数なしで実行すると対話的なプロンプトが起動する設計になっており、既存のViteプラグインとの互換性も維持されている。

Rust製ツールチェーンの採用により、パフォーマンス面でも大幅な改善が謳われている。開発チームによれば、OxlintはESLintと比較して50〜100倍、OxfmtはPrettierと比較して最大30倍高速だとしており、Rolldownを基盤とするVite 8のビルドも大きく高速化しているという。また、Oxcには正式版でReact Compiler対応が加わり、従来のBabelプラグイン経由の処理より10倍高速になったとされる。

ベータ版からの強化点と今後の展望

正式リリースにあたっては、ベータ版からの機能拡充も図られている。GitLab CI/CD向けのsetup-vpが追加されたほか、tsupからのマイグレーション対応が拡充され、vp toolchainによるツールバージョン管理、vp hooksによるGit統合が可能になった。テストランナーのVitestも5系として安定版に到達している。開発チームにはVue.js創始者のEvan Youを含むコアメンバーが名を連ねており、React、Vue、モノレポ、Node.js製CLI、ライブラリなどプロジェクトの種類を問わず同一のコマンド体系で開発できる点を強みとして打ち出している。インストールはcurl -fsSL https://vite.plus | bashのほか、Homebrewや Dockerからも可能で、macOS・Linux・Windowsに対応する。開発チームは今後、リモートキャッシングやモノレポ診断機能の強化、vp releaseやvp docsといった新コマンドの実装を計画しているとしており、単一ツールチェーンによるNode.js開発体験の一本化をさらに進める方針だ。