概要

Google Cloudは9月24日、Google Kubernetes Engine(GKE)向けの新機能「ambient networking」をアローリスト制のプレビューとして公開した。これはPodごとにサイドカーコンテナを配置する従来のサービスメッシュ方式に代わり、プロキシ機能をノードレベルのコンポーネントへ移行するアプローチで、サイドカー不要のサービスメッシュ展開モデルを実現するものだ。GKEにすでに組み込まれているデータプレーン技術「Dataplane V2」に統合される形で提供され、メッシュのライフサイクル管理を簡素化する狙いがある。

技術的な詳細

従来のサイドカー方式では、メッシュに参加する各Podにプロキシコンテナを注入するため、アイドル状態のプロキシであってもCPUやメモリを消費し続け、また設定やプロキシのバージョンを更新する際にはワークロード自体の再起動が必要になるという課題があった。ambient networkingはプロキシ機能をノードレベルのコンポーネントに集約することで、こうしたアイドル時のリソースオーバーヘッドを削減し、プロキシ更新に伴うワークロードの再起動も不要にする。インフラ管理の手間を簡潔にできる点も利点として挙げられている。

現時点のプレビューでは、単一クラスター内でのレイヤー4メッシュ機能をサポートし、Gateway APIを用いてmTLSによる通信の暗号化、サービスディスカバリー、トラフィック管理、テレメトリー収集に対応する。利用にはアローリストへの登録が必要で、まだ全ユーザーに開放された機能ではない。

今後の展望

サイドカーレスのサービスメッシュはIstioの「Ambient Mesh」など業界全体で進んでいる潮流であり、GKEが同様のアーキテクチャをDataplane V2に統合したマネージド機能として提供することで、Kubernetes運用者はリソース効率とアップグレード時の運用負荷を大きく改善できる可能性がある。現段階では単一クラスター・レイヤー4機能に限定されているが、今後はマルチクラスター対応やレイヤー7機能の拡充が期待される。