概要
AWSは9月18日、Amazon Bedrock AgentCoreの次世代ランタイム(V2)を一般提供開始したと発表した。AIエージェントを実行するためのこのランタイムは、コンテナイメージのサイズや同時実行数によらず一貫して高速なコールドスタートを実現する点が最大の特徴で、P75のコールドスタート時間を1.9〜2.0秒まで短縮した。従来のV1では5.4〜30秒かかっていたため、最大で約93%の短縮となる。あわせて、実際のワークロードに応じてメモリを動的に確保・解放する弾力的なメモリ管理も導入し、ピーク使用量ではなく実使用分のみに課金される仕組みへと改めた。利用可能リージョンはus-east-1、us-east-2、us-west-2、eu-west-1、ap-northeast-1の5リージョン。
技術的な詳細
コールドスタート短縮の鍵となっているのは、エージェント実行環境を事前に一度準備してスナップショットを作成しておき、新しいインスタンスの起動時にはそのスナップショットから復元するという方式だ。この仕組みにより、200MBから2GBまで幅のあるコンテナイメージサイズや、同時実行数の多寡に関わらず、安定して短いコールドスタート時間を維持できるという。メモリ管理面では、小規模な効率的なプロファイルでインスタンスを起動し、ワークロードの負荷に応じて必要なメモリを動的に割り当て、不要になった分は回収するモデルを採用した。これにより開発者はピーク時を見込んだ過剰なメモリ確保をあらかじめ行う必要がなくなり、コストを実際の使用量に連動させられる。なお、AgentCore Runtime本来の特徴であるサーバーレス性――事前プロビジョニング不要、ゼロへのスケーリング、ハードウェアレベルで強制されるセッション分離――はV2でも維持されている。
利用方法と展望
既存または新規のランタイムでV2を利用するには、作成時または更新時にplatformVersionをV2に設定するだけでよく、移行の手間は比較的小さい。コールドスタートの短縮とコストの最適化は、リアルタイム性が求められる対話型AIエージェントや、負荷が変動しやすいワークロードにとって特に有効に働くと見られる。AWSはAgentCoreを通じてAIエージェントの本番運用基盤としての完成度を高めており、今回のV2投入により、エージェント基盤の性能面での競争力をさらに強化する狙いがあるとみられる。