母親の投稿から発覚した子どもプロフィールの自動生成
Kalie Robinsさんという母親がFacebookに子どもと車に乗る動画を投稿したところ、Meta AIが「この乗客の子どもは誰ですか」「Kalie Robinsさんはどこに住んでいますか」といった質問を自動的に提示してきたことをきっかけに、深刻な問題が明らかになった。この質問をクリックすると、Meta AIは何年分もの家族の写真や投稿を横断的に解析し、子どもたちの名前、誕生日、居場所などをまとめた詳細なプロフィールを提示した。Robinsさんによれば、複数いる子どもそれぞれについて別々の情報がまとめ上げられており、しかも一部には既に削除したはずの投稿から抽出された写真や動画まで含まれていたという。2024年4月に開始されたMeta AIはFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerを横断して動作しており、今回の問題はその情報統合機能の範囲の広さと持続性を改めて浮き彫りにした。
Metaの説明と釈明の矛盾
この問題を指摘されたMetaは、AIが「乗客の子どもは誰か」といった質問を利用者に提示すべきではなかったと認め、当該機能を修正済みだと説明した。Metaはまた、AIが表示する情報はあくまで「質問した本人が本来アクセスできる投稿から得られたもの」に限られると主張している。しかし、この説明では削除済みの写真がなぜプロフィールに含まれていたのかという点を説明できていない。投稿を削除しても、Meta側のシステム内でデータが完全に消去されず、AIによる解析対象として残り続けていた可能性を示唆する事例といえる。
繰り返される信頼性の問題と利用者の対応
Meta AIをめぐっては今回が初めての問題ではない。2025年6月には利用者のチャット内容が意図せず公開される事案が起き、同年7月にはプライベートな会話が第三者から閲覧できる脆弱性が発覚、さらに10月には会話内容が広告ターゲティングに利用されていたことも判明している。こうした一連の問題は、Meta AIがユーザーの投稿履歴や会話履歴をどこまで、どのように活用しているかについて、利用者側から十分に把握・制御できていない実態を示している。今回の件を受けてRobinsさんは、子どもを特定できる写真の削除を進めるとともに、友人にも同様の対応を呼びかけているが、SNS上のデータは直接投稿していなくても他者経由で収集され得るため、根本的な解決には至っていないと指摘している。子どものプライバシー保護をめぐる懸念は今後、AIによるデータ統合機能の透明性や利用者による制御手段の整備を求める声として広がっていく可能性がある。