半導体輸出が270%増、輸出全体の半分近くを占める
韓国関税庁が発表した2026年9月1〜10日の貿易統計によると、同国の輸出額は前年同期比82.6〜83%増の約349億〜350億ドルとなり、9月上旬としては過去最高を記録した。1日当たりの平均輸出額も41億1000万ドルに達している。輸出を牽引したのは半導体で、輸出額は前年同期比270.1%増の164億〜165億ドルとなり、同時期の記録を更新した。半導体が輸出全体に占める割合は47.1%に達し、前年同期の23.2%からほぼ倍増した。輸入額も20.7%増の246億〜247億ドルとなったが、貿易黒字は103億〜104億ドルと過去最大を記録している。
AIブームとHBM需要が成長の原動力
半導体輸出急増の背景には、AIサーバー向けメモリー需要の急拡大がある。特にHBM(高帯域幅メモリー)は、AIアクセラレーターなど大量のデータを高速処理する半導体に採用されており、グローバルなAIブームが韓国の輸出構造そのものを塗り替えつつある。サプライチェーン面では、台湾向け輸出が176.0%増と急伸して韓国の第3位の輸出先に浮上しており、その約70%を半導体が占める。SKハイニックスとTSMCがHBM4の開発で協力関係にあることもこの動きと関連しているとみられる。主要メーカーの投資も加速しており、サムスン電子は平沢のP5工場建設を進め、SKハイニックスは龍仁半導体クラスターへの投資を拡大している。半導体以外では、石油製品が57%増、自動車が10%増、船舶が66.8%増と幅広い品目で増加がみられ、地域別では中国向けが2倍、米国向けが137.5%増と主要市場での需要拡大が目立った。
年間1兆ドル到達も視野、ただし不確実性も
2026年1月1日から9月10日までの累計輸出額は7285億〜7286億ドルと前年同期比54.1%増に達し、2025年通年の輸出額をすでに9月5日時点で上回った。このペースが続けば2026年通期の輸出額が1兆ドルに到達する可能性があり、実現すれば米国、中国、ドイツに次ぐ規模となる。ただし記事は、1兆ドル到達が確定したものではなく、今後の半導体市況、主要国の設備投資動向、通商政策や為替相場などによって変動し得ると注釈を加えている。半導体への依存度が輸出全体の半分近くにまで高まっていることは、外需の変化の影響を受けやすい構造的なリスクも同時に浮き彫りにしている。