概要

HTML属性だけでAjaxやWebSocketなどの動的な通信を実現するフロントエンドライブラリ「HTMX」のバージョン4.0が、2026年8月28日に正式リリースされた。今回の目玉は内部実装の刷新で、これまで通信処理に使っていたXMLHttpRequest(XHR)をfetch APIに置き換えている。開発チームによれば、この移行によって内部実装そのものがシンプルになったことに加え、新機能「Streaming HTML」への対応が可能になったという。一方で、属性の継承挙動やイベント名の命名規則など、既存ユーザーに影響する破壊的変更も複数含まれている。

fetch移行とStreaming HTMLの仕組み

Streaming HTMLは、サーバから連続して送られてくる多数の文字列を受け取りながら、同時に画面上へ順番に表示していく処理を可能にする機能だ。チャットAIの回答が少しずつ画面に表示されていくような挙動を、HTMXの宣言的な属性ベースの記法で実現できるようになる。実装方式としてはServer Sent Events、Web Sockets、Multi-Part Responsesの3種類が用意されており、用途に応じて使い分けられる。あわせて、DOMツリーを別のDOMツリーへ滑らかに置き換える「モーフィングスワップ」も新たに追加された。

破壊的変更と移行支援

構文面で最大の変更となるのが、属性が親要素から子要素へデフォルトでは継承されなくなった点だ。従来の挙動を維持したい場合は、:inheritedを明示的に付与する必要がある。また、イベント名の命名規則も整理され、例えばhtmx:beforeRequestはhtmx:before:requestのような形式に変更されている。ブラウザの戻る操作に関わるヒストリー機能も、従来のLocalStorageキャッシュを使う方式からWebページを再取得する方式に変更され、サードパーティ製ライブラリを使っている場合でも画面状態を完全に復元できるようになった。これら破壊的変更への対応を支援するため、開発チームはAIエージェントによる移行作業を想定したスキルファイルをインストールファイルに同梱しており、既存プロジェクトの自動移行が進むことを期待しているとしている。