概要
Oracleは9月10日、2027会計年度第1四半期(2026年6月〜8月期)の決算を発表し、クラウドインフラ(IaaS)収益が前年同期比121%増の74億ドルに達したことを明らかにした。クラウド事業全体(IaaS+SaaS)の収益は62%増の116億ドル、総収益は30%増の193億5000万ドルとなり、非GAAPベースのEPSは1.92ドル(30%増)、純利益は46億8000万ドル(60%増)と、いずれも大幅な成長を記録した。最大の注目点は、将来の収益計上が見込まれる残存履行義務(RPO)が前年同期比2090億ドル増の6640億ドルに達したことで、企業のAIインフラ需要の拡大が同社の成長を強力に牽引している構図が改めて裏付けられた。
AI需要が牽引するインフラ事業
クラウドインフラ収益のうち、CPU・GPUインフラ部分は前年比151%増の65億ドルに達し、Oracleは「9四半期連続でインフラ収益の成長が加速している」と説明した。AI向けGPUの稼働率は97.9%と、遊休設備がほとんどない状態が続いており、GPUの更新・再販契約では平均20%のプレミアム価格が付くなど、供給が逼迫した市場での価格決定力の強さも示された。四半期中には300億ドル超のAIクラウド契約を新たに獲得し、300,000基超のGPUを顧客に納入(前四半期比ほぼ3倍)、データセンター容量も850メガワット追加した。これらの投資を支えるため、200億ドル規模の株式発行(ATM)を完了し、通期の設備投資(capex)は900億〜950億ドルの見通しを維持している。
株価は乱高下、通期見通しは上方修正
決算内容自体は市場予想(非GAAP EPS予想1.73ドル)を上回ったものの、通常取引時間中の株価は5.38%下落し152.94ドルで終えた。巨額のAI投資による収益性への懸念が意識されたとみられるが、その後の時間外取引では上方修正された通期見通しを好感して4.34%反発し159.58ドルまで戻した。Oracleは2027会計年度の総収益見通しを「定額為替ベースで前年比34%増、最低900億ドル」に引き上げ、第2四半期についても総収益30〜34%増、クラウド収益64〜71%増との見通しを示した。一方で、大規模な設備投資により第1四半期のフリーキャッシュフローは50億ドルの赤字となっており、非GAAP営業利益率は42%を維持しているものの、積極的な拡張投資と収益性の両立が今後も焦点となりそうだ。