概要

Metaは8月26日、FacebookとInstagramが未成年ユーザーに依存を引き起こすよう設計されていたとする29州との集団訴訟について、最大167億ドル(約166億8,000万ドル)を10年間の分割払いで支払うことで和解したと発表した。ソーシャルメディア企業が未成年者保護を巡って支払う和解金としては過去最大級で、業界全体の規制強化を象徴する事例となる。和解にはカリフォルニア、コロラド、ニュージャージー、ケンタッキーなどが主導的な役割を果たしており、Metaは今回の合意でも不正行為があったことは否定している。

和解に盛り込まれた安全対策

Metaは今後5年間(競合他社が同水準の対策を採用すれば10年間に延長)にわたり、10代ユーザー向けにFacebookとInstagramの累計利用時間を1日2時間に制限する仕組みを導入する。メッセージ機能や長尺動画の視聴時間はこの上限の対象外となる。加えて、深夜0時から午前6時までは保護者の同意がない限りアカウントを自動的にロックする夜間制限も導入される。これらに加え、年齢確認システムの強化や保護者向けコントロール機能の拡充も義務付けられた。合意内容には将来的な拡張条項も含まれており、TikTok・YouTube・Snapchatなど競合プラットフォームが同水準の対策を採用した場合、Metaの制限はさらに厳格化され、夜間ブロックは午後10時から午前7時に、1日の利用上限はアプリごとに60分・合計2時間に引き下げられる。遵守状況は、Meta側と各州が共同で選定し費用をMetaが負担する独立監査人によって5年間にわたり監視される。

訴訟の背景

今回の和解に至った訴訟は、FacebookとInstagramが子どもに中毒性を持たせるよう意図的に設計され、プラットフォームの安全性について公衆を欺き、児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反して保護者の同意なく未成年者の個人データを収集していたとする各州の主張に基づく。メリーランド州司法長官のアンソニー・ブラウン氏は今回の和解を「規模と範囲の両面で歴史的」と評価し、企業の利益よりも子どもの福祉を優先させる責任をMetaに問うものだと述べた。一方Metaは、10代に安全で生産的な体験を提供することが「絶対的な重要性を持つ」とコメントしている。

今後の見通し

和解が正式に成立するには、連邦地方裁判所のイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース判事による承認が必要となる。Metaはこの和解によって29州との訴訟に一区切りをつけるものの、なお数千件に上る個人および自治体からの訴訟に直面しており、10月にはロサンゼルスで次の裁判が予定されている。今回の発表を受けてMeta株は取引前で4.4%上昇しており、市場は法的不確実性の一部解消を好感した形だ。今後、他のソーシャルメディア企業にも同様の未成年者保護策の導入圧力が強まる可能性がある。