概要

AWSは2026年8月20日、AWS Direct Connectに「インバウンドプレフィックス制御」という新機能を追加したと発表した。この機能により、オンプレミスネットワークからAWSへ接続するプライベートVIF(Virtual Interface)およびトランジットVIFごとに、受け入れるインバウンドルートプレフィックスの割り当て数をワークロードの要件に応じて管理できるようになる。あわせて、VIF1本あたりに受け入れ可能な経路数の上限が、IPv4・IPv6それぞれ従来の100プレフィックスから1,000プレフィックスへと10倍に引き上げられた。

技術的な詳細

従来のDirect Connectでは、オンプレミス側からアドバタイズされる経路プレフィックスをプライベートまたはトランジットVIF上で受け入れる際の上限が100プレフィックスに固定されており、多数のVPCやオンプレミスセグメントを持つ大規模なネットワーク構成ではこの制約がボトルネックになりやすかった。新機能では、この上限が1,000プレフィックスまで拡張されるだけでなく、VIF単位でどれだけのプレフィックス容量を割り当てるかをユーザー自身が制御できる仕組みが導入される。

プレフィックスの容量プールは、専有接続(dedicated connection)レベルと、複数の接続やリージョンをまたいで経路を集約するDirect Connect Gateway(DXGW)レベルの両方に用意される。VIFを作成する際に特定数のプレフィックスを割り当てると、その割り当ては接続レベルとDXGWレベルの両方のプールから消費される仕組みとなっており、ネットワーク全体でのプレフィックス配分を柔軟に設計できる。設定はAWS Direct Connectコンソール、CLI、APIのいずれからも行える。

対応リージョンと料金

この機能はすべての商用AWSリージョンに加え、AWS GovCloud(US-East、US-West)、および中国の北京・寧夏の各リージョンで利用可能となっている。機能の利用に追加費用は発生せず、既存のDirect Connect利用者はそのまま新しい制御機能を使い始められる。

背景と今後の展望

近年、企業のハイブリッドクラウド環境は多数のVPCやオンプレミスサブネットを抱えるケースが増えており、経路プレフィックス数の上限は大規模なマルチアカウント・マルチVPC構成を運用する組織にとって現実的な制約となっていた。今回の10倍への拡張とVIF単位での柔軟な割り当て管理により、AWSはより大規模で複雑なネットワークトポロジーをDirect Connect経由で構築しやすくする狙いがあるとみられる。詳細な設定方法については、AWSが公開しているDirect Connectユーザーガイドの該当ページで確認できる。