概要

NvidiaがAI検索スタートアップPerplexityの新規資金調達ラウンドへの出資を協議していることが、The Informationの報道をもとにtechstartupsやPYMNTSなど複数メディアで伝えられた。今回のラウンドでPerplexityの企業評価額は300億ドルを超える見込みで、約1年前の評価額(約200億ドル)から50%以上の増加となる。Nvidiaは既にPerplexityの既存投資家であり、今回の追加出資によって両社の関係をさらに深める狙いがあるとみられる。

急成長する売上高とビジネスモデルの転換

Perplexityの年換算売上高(ARR)は2026年初頭の2億5000万ドル未満から、9カ月足らずで7億5000万ドル超へと約3倍に急増した。この成長を牽引しているのが、単なる検索エンジンから「AIエージェント」型サービスへの事業転換だ。同社が展開するAIネイティブブラウザ「Comet」は企業向けにも「Comet Enterprise」として提供されており、ページ内でのリサーチや要約に加え、フライト予約やメール管理といった複数ステップの作業をエージェントが自律的にこなす機能を備える。企業向けプランではセキュリティ企業CrowdStrikeと連携し、管理者がAIエージェントに許可する操作を細かく制御できる仕組みも導入されており、こうしたエンタープライズ需要の取り込みが売上急拡大の主因となっている。

Perplexityはこれまでに15億ドル以上を調達しており、既存投資家にはJeff Bezos氏、SoftBank Group、IVP、NEAらが名を連ねる。Aravind Srinivas CEOは2028年のIPO(新規株式公開)を目指す意向を示しており、今回の大型資金調達はその布石とも位置づけられる。

Nvidiaの投資戦略

Nvidiaにとって今回の出資検討は、AIチップの販売・レンタルにとどまらない多角的な提携戦略の一環だ。同社は近年、AIコーディング企業Poolsideに対して60億ドル規模のソフトウェアライセンス契約を結ぶと同時に10億ドルを出資したほか、AI半導体スタートアップGroqの技術買収を実施するなど、有望なAI企業への戦略的関与を強めてきた。Jensen Huang CEOはインタビューでPerplexityを日常的に利用しており、お気に入りのチャットボットの一つに挙げているとされ、検索・エージェント領域での存在感拡大を後押しする狙いがうかがえる。

今後の展望

評価額300億ドル超という規模は、AI検索・エージェント市場におけるPerplexityの急速な台頭を象徴している。Nvidiaのような主要インフラ企業がAIアプリケーション層への出資を拡大する動きは、GPU需要の創出と自社エコシステムの囲い込みを同時に狙うものであり、今後も同様の戦略的投資が他のAIスタートアップに対しても広がる可能性がある。