概要

Microsoftは、クラウドセキュリティ態勢管理(CSPM)製品「Microsoft Defender for Cloud」のマルチクラウド対応を拡大し、AWSおよびGoogle Cloud向けに約90の新しいリソースタイプと200以上のセキュリティ推奨事項を一般提供(GA)として追加したと発表した。Azure・AWS・GCPにまたがるハイブリッド/マルチクラウド環境を単一のコンソールから一元的に可視化・管理できるようにすることが狙いで、複数のクラウド基盤を併用する組織に対して、一貫したセキュリティ可視性とポスチャー管理を提供する。

新規対応リソースと推奨事項

今回のアップデートでは、コンピュート、データベース、ストレージ、分析、ネットワーキング、ID、シークレット管理、DevOps、AI/ML関連サービスといった幅広い領域にわたり、新たなリソースタイプの検出とポスチャー評価が可能になった。新しく対応したAWS・GCPのリソースは、Defender for Cloudの「アセットインベントリ」機能上で自動的に検出・可視化されるようになる。また、これらの新規対応リソースにおける設定ミスやセキュリティ上のギャップを特定するため、200件を超える新しい推奨事項が追加された。

ID・アクセス管理の強化

セキュリティ機能の強化として、過剰な権限を持つID、リスクの高い権限設定、脆弱な認証方式、権限昇格経路の評価にも改善が加えられた。特にクラウドインフラストラクチャ権限管理(CIEM)のロジックが刷新され、従来のサインイン履歴ベースの評価から、実際の権限利用状況(エンタイトルメント利用)に基づくID リスク評価へと移行した。評価には過去90日間の利用実績を遡って参照する仕組みが採用されており、実態に即したリスク判定が可能になっているという。

今後の展望

マルチクラウド環境の運用は年々複雑化しており、クラウドごとに異なるセキュリティツールや可視性のギャップが、組織全体のリスク管理を難しくする要因となってきた。今回のGA提供により、Azureを中心に据えつつAWSやGoogle Cloudも併用する企業にとって、単一のダッシュボードから横断的にセキュリティ態勢を把握・改善できる環境がさらに整うことになる。Microsoftは今後もDefender for Cloudの対応リソース範囲や検出ロジックの拡充を継続する方針とみられ、マルチクラウドセキュリティ市場における競争力強化を図る狙いがあるとみられる。