概要
Anthropicは8月20日、Claude Platformにおいてコンピュータ操作ツール(Computer Use)、Skills API、Files APIの3機能を正式に一般提供(GA)した。これまでベータ扱いだったこれらの機能が本番運用に耐える形で提供されることになり、企業がClaudeを使って業務プロセスを自動化する「エージェント」を構築しやすくなる。Skills APIとFiles APIはMicrosoft Foundry経由でも利用可能になっており、更新版のコンピュータ操作ツール(ブラウザ操作ツールを含む)はGoogle Cloud Vertex AIに近日提供される予定だ。
各機能の詳細
コンピュータ操作ツールは、画面のスクリーンショットから視覚情報を読み取り、人がキーボードやマウスを操作するのと同じように「クリック・入力・スクロール」を行う仕組みで、専用APIを持たない既存のソフトウェアであっても自動操作の対象にできるのが特徴だ。今回のGAにあわせて新たに追加されたブラウザ操作ツールは、スクリーンショットに加えてページ構造そのものを認識できるようになっており、画面上のピクセル座標ではなく、特定の入力フィールドやボタンといった要素を直接指定して操作できる点が従来との違いとなる。一般提供版では複数アクションをまとめて実行できるようになったことで、ある作業にかかる時間が32分から13分へ短縮され、コストも約30%削減されたという実績が示されている。
Skills APIは、指示書・スクリプト・テンプレートを一つのフォルダにまとめた「スキル」をアップロード・バージョン管理できる仕組みで、Claudeはタスクの内容に応じて必要なスキルだけを読み込んで実行する。実行はクラウド環境で行われるため、利用企業側で独自のホスティング基盤を用意する必要がない。これにより、業務ごとに専門知識や定型プロセスをモジュールとして整理し、再利用しやすい形でClaudeに組み込めるようになる。
Files APIは、PDFやスプレッドシートといった文書を事前にアップロードし、以降はそのIDを参照するだけで利用できる機能だ。従来のようにリクエストのたびにファイル本体を送信し直す必要がなくなり、大容量データを扱うワークフローの効率化につながる。
背景と今後の展開
今回のGAは、AnthropicがClaudeを単なる対話型アシスタントから、実際の業務システムを横断して操作する自律的なエージェント基盤へと押し上げる取り組みの一環だ。コンピュータ操作ツールについては、Anthropic自身のブログでの説明に加えて、外部メディアからも新設のブラウザ操作ツールに注目が集まっている。The New Stackは「Anthropicの新しいブラウザツールは実際にはブラウザを起動しない」と題した記事でこの機能を取り上げているが、今回は同記事本文の取得ができなかったため、具体的な技術的裏付けの詳細は確認できていない。3機能がMicrosoft FoundryやGoogle Cloud Vertex AIでも利用可能になることで、既に各クラウドでClaudeを利用している企業にとっても導入のハードルが下がると見られる。