概要
Nvidiaが韓国のAI推論チップ新興企業Rebellionsとの間で、技術提携や出資、さらには買収の可能性を含む初期段階の協議を行っていることが、Bloombergの報道で明らかになった。Nvidiaのジェンスン・フアンCEOは今週、米カリフォルニア州サンタクララの同社本社でRebellionsの共同創業者兼CEOであるパク・ソンヒョン氏と会談したという。両社の協議はまだ初期段階にあり、実際の取引につながる保証はないと報じられている。
Rebellionsは韓国・板橋(パンギョ)を拠点に、データセンター向けのAI推論処理に特化したNPU(ニューラルプロセッシングユニット)を開発する新興企業。SKハイニックスやサムスンベンチャーズなど有力investorから約8億5,000万ドルを調達しており、企業価値は約23億ドルと評価されている。同社は新規株式公開(IPO)も視野に入れているとされる。
背景と意義
Nvidiaは生成AIの学習(トレーニング)向けGPU市場で圧倒的なシェアを握る一方、AIモデルを実運用で動かす「推論」処理に特化した専用チップの分野では、Rebellionsのようなスタートアップや大手クラウド事業者の自社開発チップとの競争が強まっている。Rebellionsが持つ推論特化のエンジニアリング知見や関連知的財産を取り込むことができれば、Nvidiaは学習から推論までAIコンピューティング全般での競争力をさらに強化できる可能性がある。
一方で、買収に近い形の提携が実現した場合、半導体を戦略的資産と位置付ける韓国政府による規制面での審査が課題となる可能性も指摘されている。Nvidiaは今回の会談に先立ち、サムスン電子やSKハイニックス、現代自動車など韓国企業と相次いで提携を発表しており、韓国のAIエコシステムへの関与を強めてきた経緯がある。
今後の見通し
現時点では協議は初期段階にとどまっており、技術提携、出資、買収のいずれの形になるか、あるいは実際に合意に至るかどうかも不透明だ。Rebellionsが目指すIPOとの兼ね合いも含め、今後の交渉の行方が注目される。