概要

Charter Communicationsは8月20日、Cox Communicationsを344億5000万ドルで買収する取引を完了した。同時にLiberty Broadband Corporationの全株式取得(オールストック取引)も完了させており、この2件の統合により、Charterの既存加入者約3100万人にCoxの約600万人が加わり、合計およそ3700万人の顧客を抱える全米最大のインターネット・動画プロバイダーが誕生した。サービス提供エリアは45州に及ぶ。Charter社長兼CEOのChris Winfrey氏は「規模の拡大を得たことで、我々は製品・サービス、ツールとプラットフォームへの投資を継続し、Spectrum Fiber Broadbandネットワークの能力と展開範囲をさらに強化できる立場にある」とコメントしている。

買収の背景と規制承認

CharterとCoxの合併計画は、Netflixをはじめとするストリーミングサービスの台頭によるケーブルテレビ離れ(コードカッティング)の圧力を受け、両社が事業規模を拡大して競争力を確保する狙いから進められてきた。取引は米連邦通信委員会(FCC)と司法省(DOJ)の承認を経ていたが、最後まで残っていた関門はカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の承認だった。Winfrey氏はモルガン・スタンレー主催の投資家会議で「大きな州であるカリフォルニアでの手続きがまだ残っているのは周知の事実だ」と述べ、消費者と従業員双方の利益のためにCPUCとの協議を加速させたいとの意向を示していた。CPUCの承認取得を経て、8月20日に取引が正式に完了した。

統合後のブランド戦略と今後の展開

統合後の事業体は当面、45州の全域で「Spectrum」ブランドを用いてサービスを展開する。一方、親会社としての社名は1年以内に「Cox Communications」へと変更される予定であり、サービスブランドと持株会社の名称が分離する形になる点が特徴的だ。旧Coxのサービスエリアでは、9月中旬からSpectrumの料金プランやセット割引を含むフルラインナップのサービスへの移行が開始される見込みで、既存のCox加入者にとっては契約内容やブランド表示が順次切り替わっていくことになる。今回の統合により、Charterはケーブル・ブロードバンド市場における交渉力とネットワーク投資余力を強化し、ストリーミング事業者や他の通信キャリアとの競争に対応していく構えだ。