概要

Microsoftは2026年8月19日、Visual Studio Codeの月例アップデートとなるバージョン1.134を公開した。今回の目玉は、複数のチャットセッションを同時に扱うためのUI強化だ。関連するチャットやサブエージェントとのやり取りを水平または垂直方向にグループ化して並べて表示できる「Side-by-side chats」が追加され、ドラッグ&ドロップで会話同士を並べて比較検討できるようになった。レイアウトはセッションを再開した際にも保持されるため、複数のタスクを並行してエージェントに依頼するようなワークフローとの親和性が高い。

あわせて、長い会話を素早く見渡せる「Prompt timeline」も導入された。タイムライン上に各プロンプトがドットとして表示され、ファイル変更を伴ったプロンプトについては追加・削除行数がその場で確認できる。これにより、エージェントとの長時間のやり取りの中でも、どの時点でどのような変更が加えられたかを直感的に把握できるようになった。

技術的な詳細

チャット機能ではこのほか、Ctrl+F(Windows/Linux)またはCmd+F(Mac)でチャット全体を検索できる「Find in chat」も追加された。大文字小文字の区別、全文一致、正規表現による検索に対応しており、長い会話履歴から特定のやり取りを探し出す際に有用だ。

エージェント関連では「Agent host」という仕組みが導入され、複数のVS Codeウィンドウから同一のエージェントセッションに接続できるようになった。これはAgent Host Protocol(AHP)という専用プロトコルに基づき、独立したプロセス上でエージェントを動作させる仕組みで、マルチウィンドウでの作業とエージェントの状態管理を切り離して扱えるようにする狙いがある。サイドペインのレイアウトもworkbench.editor.showTabs設定に対応してタブ表示をカスタマイズできるようになり、セッションを切り替えてもレイアウトが保持される。

このほか、エディタ体験の面では、タブをAltクリックすることで他のタブを一括で閉じられる機能や、workbench.editorAssociations設定によりローカルHTMLファイルを統合ブラウザで直接プレビューできる機能が加わった。あわせて複数のメモリリーク修正も行われており、全体的なパフォーマンス向上にもつながっている。

背景と今後

近年のVS Codeのアップデートは、AIコーディングエージェントとの協働を前提としたUI・UX改善に重点が置かれる傾向が強まっている。今回のSide-by-side chatsやPrompt timelineも、単一のチャットで完結しない、複数のサブエージェントが並行してタスクをこなすような開発スタイルを後押しするものだ。Agent Host Protocolの導入により、エディタのウィンドウ管理とエージェントのセッション管理が疎結合になったことで、今後はマルチウィンドウ・マルチデバイスでの継続的なエージェント活用がさらに進むことが見込まれる。