概要
データ・AI基盤大手のDatabricksが5億ドルの追加資金調達を実施し、評価額は190億ドル(半年前の1340億ドルから42%増)に到達した。ラウンドはCoatueが主導し、Blackstone、MGX、T. Rowe Price系列の各社、新規参加のSixth Street Growthなど約20社の投資家が参加した。CEOのAli Ghodsi氏によれば、当初の調達目標は1億ドルにすぎなかったが、6月のカンファレンス開催中にThe Informationが今回の資金調達計画を報じたことをきっかけに投資家の関心が急騰し、「150億ドル分の需要があった」という。既存投資家との関係悪化を避けるため、Ghodsi氏は最終的に調達額を5倍の5億ドルへと引き上げる判断をした。
財務状況と製品の勢い
Databricksは年間経常収益(ARR)換算で70億ドルの規模に達し、前年比80%の成長を遂げているほか、キャッシュフローも黒字化している。中核製品であるクラウドデータウェアハウスは15億ドルの経常収益規模(前年比100%成長)を維持しており、依然として拡大が続いている。2025年6月にローンチしたAIエージェント向けデータベース「Lakebase」は、経常収益ベースで早くも1億ドル規模に到達した。また、ビジネス分析向けAIチャットボット「Genie」もGhodsi氏が「非常に人気が高い」と語るなど、AI関連製品群が成長を牽引している。
資金の使途と今後の見通し
今回調達した資金は、大手ハイパースケーラーとの間で結んでいる数十億ドル規模のクラウドインフラ契約の履行、100人規模のAI研究チームの維持・拡大、そしてPostgresデータベースのElectricやサイバーセキュリティ企業Panther社を含む複数の買収案件に充てられる見込みだ。Databricksはこの20カ月間で総額200億ドルを調達しており、今回のラウンドもその延長線上にある。Ghodsi氏は将来的な株式公開(IPO)への関心を示しつつも、当面は非公開企業のままAI分野への投資を優先する方針を明らかにしており、明確なIPO時期は示していない。