概要
xAIは8月12日、新モデル「Grok 4.6」を発表した。長時間にわたって稼働し続けるエージェントタスクや、より野心的な対話・視覚系のワークロードへの対応を主眼に据えたアップデートで、トピックのリサーチからアプリケーション開発まで、複数ステップにまたがる複雑な作業をこなせるよう調整されている。位置づけとしてはベースモデル自体を大規模化したものではなく、前モデル「Grok 4.5」に対する後処理(ポストトレーニング)を中心とした改良版とされる。
ベンチマーク性能
第三者評価機関Artificial AnalysisのIntelligence Indexでは、Grok 4.6はスコア61を記録し、Grok 4.5の56から5ポイント向上した。これはOpenAIの「GPT-5.6 Sol Max」とほぼ同水準であり、Moonshot AIの「Kimi K3」を上回る結果となったことで、同指標における世界3位に位置づけられている。個別のベンチマークでも、GDPVal-AA v2で1753、コーディング関連のCursorBench v3.2で69.9%、FrontierCode v1.1で61.3%を記録した一方、DeepSWE v1.1では65.9%とGPT-5.6にはやや及ばず、コーディング性能面では一長一短があることも示された。
技術的な詳細
Grok 4.6の目玉はコンテキストウィンドウの50万トークンへの拡大で、テキストに加えて画像入力にも対応する(出力はテキストのみ)。新たに追加された「xhigh」という推論努力(reasoning effort)レベルにより、より深く時間をかけた思考プロセスを選択できるようになった。知識のカットオフ時点は2026年2月1日とされている。なお、オープンウェイト版の提供やセルフホスティングには対応しておらず、エアギャップ環境など隔離されたネットワークでの利用は想定されていない。
価格体系と提供状況
料金はトークン量に応じた2段階制で、20万トークン以下では入力100万トークンあたり2ドル、キャッシュ入力0.50ドル、出力6ドル。20万トークンを超える範囲では、それぞれ4ドル、1ドル、12ドルとなる。発表当日からAPI、開発者向けツール「Cursor」、xAI自身のアプリ構築サービス「Grok Build」を通じて即日利用可能となっており、提供開始から最初の1週間は無料利用枠が通常の2倍に拡大される。長文脈と推論強度の選択肢を武器に、長時間稼働するコーディングエージェント用途での採用拡大を狙う姿勢がうかがえる。