概要

半導体製造装置大手アプライドマテリアルズは8月13日、2026会計年度第3四半期(5〜7月期)の決算を発表し、売上高が前年同期比25%増の91億2000万ドルと過去最高を記録した。純利益は43%増の25億3800万ドル、GAAPベースの希薄化後EPSは43%増の3.17ドルとなり、非GAAPベースのEPSも過去最高の3.50ドルに達した。CEOのゲーリー・ディッカーソン氏は「記録的な四半期を達成し、当社の歴史上最高の逐次売上成長を実現した」と述べ、AI採用の急速なグローバル展開が同社の材料工学ソリューションに「前例のない」需要をもたらしていると強調した。

業績の詳細

事業セグメント別では、主力の半導体システム部門が売上70億4000万ドル、粗利率55.3%、営業利益率37.7%と高い収益性を示した。アプライドグローバルサービス(AGS)部門は売上17億8100万ドル、粗利率35.6%、営業利益率30.1%だった。全社ベースではGAAP粗利率50.3%、営業利益は過去最高の30億8000万ドル(売上高比33.7%)を記録している。CFOのブライス・ヒル氏は「13四半期連続で前年比の粗利率拡大を達成した」と説明し、強い収益成長が今後も続くとの見方を示した。会社側は第4四半期の売上高を約102億5000万ドル(±5億ドル)、非GAAP EPSを4.02ドル(±0.20ドル)と見込んでおり、市場予想を上回るガイダンスとなった。

AI需要と生産能力拡大

決算の背景にあるのは、AI向け半導体投資の急拡大だ。ディッカーソン氏は、顧客が機器をより早期に確保しようと生産能力の拡大を急ぐよう要請していると明かす一方、「短期的には十分な供給キャパシティの確保は難しい」と生産制約の存在も認めた。これを受け同社は、2026会計年度を通じて需要に対応するため追加の製造能力投資を実施すると表明。シンガポールでは5億ドルを投じた新拠点「Tampines Campus」を開設し、高度なクリーンルーム容量を倍増させるなど、グローバルな製造拠点の強化を進めている。経営陣は、AI採用の拡大に伴う需要が2026年通年に加え2027年の成長も牽引するとの見通しを示した。

市場の反応と今後の展望

好決算にもかかわらず、時間外取引で株価は約3%下落した。年初来ですでに株価が2倍以上に上昇し市場の期待値が高まっていたことに加え、中国事業を巡るリスクや長期的な投資計画の詳細が開示されていない点への懸念が買いを抑制したとみられる。同様の値動きは前月に決算を発表した同業のKLAでも見られており、半導体製造装置業界全体が高成長にもかかわらず慎重な市場評価にさらされている状況がうかがえる。それでもアプライドマテリアルズは業界の重要な指標銘柄と位置づけられており、旺盛なAI関連需要が今後も業績を押し上げるかが焦点となる。