概要
中国最大手の半導体受託製造(ファウンドリ)であるSMICは、2026年第2四半期の売上高が初めて30億ドルを突破したと発表した。株主に帰属する利益は前年比で約3倍となる4億7920万ドルに達し、市場アナリストの予想を上回った。好業績の背景にあるのはAI関連需要の急拡大で、供給が逼迫する分野を中心にウエハー価格を引き上げたことが収益性の改善に直結した。
価格引き上げの経緯
SMICの共同CEOを務める趙海均氏によれば、同社は第1四半期に顧客との交渉を経てウエハー価格を引き上げた。趙氏は自社の技術力について「業界トップクラスの水準に達した」と述べる一方、価格については「業界主要企業の水準とSMICの現在の価格には依然として大きな格差がある」と述べ、今後も交渉を通じて値上げを進めていく方針を示した。同氏はさらに、第3四半期に処理するウエハーについても追加の値上げを予定していると明らかにした。
AI需要と生産動向
第2四半期の成長を牽引したのは強いAI関連需要だ。出荷ウエハー数は前四半期比14%増の290万枚に達し、平均販売価格も5.7%上昇した。生産能力面では月間110万枚に達し、稼働率は93.7%と高水準を記録している。経営陣は、AI需要が年後半(H2)も堅調に推移するとの見方を示しており、第3四半期の売上高については2〜4%の成長を見込んでいる。
今後の見通し
半導体の受託製造市場では、AI向けチップの需要拡大が価格・稼働率の両面で追い風となっている構図が鮮明になっている。SMICが今後も値上げを継続する姿勢を示していることは、業界全体の価格動向やAIインフラ投資の勢いを占う上でも注目される。同社の高稼働率と旺盛な受注状況は、当面AI関連の半導体需要が減速しないとの経営陣の自信を裏付けているといえる。