概要
Microsoftは8月12日、Visual Studio Codeの月例アップデート「1.133」を公開した。今回の目玉はClaudeセッション中にモデルプロバイダーをターンごとに切り替えられるようになったことで、これまでセッション全体で単一のプロバイダーに固定する必要があった制約が解消された。あわせて、GitHubへのサインインなしでAgentsウィンドウを利用できる仕組み、長い会話でも文脈を見失わないチャットのスティッキースクロール、統合ブラウザでのHTMLファイル自動リロードなど、AIエージェントとの協働をさらに滑らかにする機能が追加された。
Claudeのモデルプロバイダー切り替え
これまでチャットセッションでは、AnthropicとCopilotのいずれか一方のモデルグループを選んだら、そのセッション中はプロバイダーを固定して使い続ける必要があった。1.133では、モデルピッカーに両方のグループが同時に表示されるようになり、同一セッション内でもターンごとに異なるプロバイダーのモデルへ切り替えられるようになった。Anthropicのモデルを利用した場合はユーザー自身のAPIキーを通じて課金され、Copilotのモデルを利用した場合は既存のCopilotサブスクリプションが適用される。用途や求める応答特性に応じて、都度最適なモデルを選び分けられる点が改善のポイントとなる。
Agentホストとエディタの改善
Agentsウィンドウについても変更が加わり、設定chat.agentHost.allowSignedOutWhenUsableを有効にすることで、GitHubアカウントへのサインインなしでも利用できるようになった。これはAgentホストの認証がGitHubアカウント全体ではなく個々のエージェントやモデルに紐づく形へと変わったことによるもので、現時点ではClaudeが対応済みであり、CopilotやCodexについても今後のリリースで対応が予定されている。Agentホストは「Agent Host Protocol(AHP)」に基づく専用プロセス上でエージェントハーネスを実行する構成となっており、Copilot SDKとの統合が進められている。
チャット面では、設定chat.stickyScroll.enabledによりスティッキースクロールが導入された。長い会話をスクロールする際、通過済みのプロンプトを画面上部に固定表示できるため、固定されたプロンプトをクリックして該当箇所に戻ったり、ナビゲーションボタンで前後のプロンプト間を移動したりできる。長時間にわたるエージェントとのやり取りでも文脈を追いやすくする狙いがある。
このほか、設定workbench.browser.autoReloadOnFileChangeにより、統合ブラウザで表示しているローカルHTMLファイルがファイル変更時に自動的に再読み込みされるようになった。エージェントによる編集結果をブラウザ操作なしで即座に確認できるようになり、AIとのフィードバックループがより短縮される。
今後の展望
今回のアップデートは、複数のAIプロバイダーやモデルを状況に応じて柔軟に使い分けられるようにするという方向性を明確に示している。Agentホストの認証をエージェント単位へ分離した設計や、スティッキースクロール・自動リロードといった細部の改善は、いずれもエディタとAIエージェントとの境界をさらに曖昧にし、開発者がコーディング作業の合間にAIとの対話を自然に差し込めるようにする狙いがある。今後もこの路線での機能拡張が続くとみられる。