概要

ビットコインマイニング企業のRiot Platformsは8月11日、AI開発企業Anthropicとの間で大型のデータセンター賃貸契約を締結したと発表した。テキサス州ロックデールにあるRiotの拠点で191メガワットのデータセンター容量をAnthropicに提供する内容で、契約期間は20年、基本契約額は91億ドルに上る。さらに5年間の延長オプションを2回行使した場合、契約総額は最大161億ドルに達する見込みだ。発表を受けてRiotの株価は寄り付き前の取引で20%超急騰し、市場からの高い期待を裏付けた。

契約の詳細と経済効果

今回の契約により、Riotは基本契約期間だけで73億〜82億ドルの純営業利益を見込んでいる。データセンターの展開は2027年12月に開始し、2028年6月までに全面稼働を目指す計画だ。Riotの直近の四半期決算では、収益が前年比14%増の1億7,420万ドルとなった一方、データセンター関連収益はまだ2,320万ドルにとどまっており、Anthropicとの契約が今後の収益構造を大きく変える可能性がある。

業界の背景

ビットコインマイニング業界では、採掘難易度の上昇や価格変動によるマイニング収益のボラティリティを回避するため、余剰電力インフラを活用したAIデータセンター事業への転換が加速している。Riotに先立ち、同業のBitdeerもノルウェーの拠点をAI企業向けに提供しており、AnthropicはVolta Infraとの間で100億ドル規模のデータセンター契約を締結している。AI需要の急拡大がマイニング企業の事業戦略を根本から変えつつあることを示している。電力インフラと土地をすでに保有するビットコインマイナーは、AI企業にとって短期間で大規模な電力供給が可能なパートナーとして注目されており、今後も同様の提携が相次ぐ可能性がある。

今後の見通し

AnthropicにとってもRiotとの契約は、急増する計算需要に対応するためのインフラ確保策の一環とみられる。生成AIモデルの学習・推論に必要な電力需要は世界的に逼迫しており、既存の電力網に接続済みの施設を持つ企業との長期契約は、データセンター新設に伴う許認可や送電網増強の遅延リスクを回避する有効な手段となっている。今回の契約が市場から高く評価されたことで、他のビットコインマイナーもAI企業との提携交渉を本格化させる展開が予想される。