概要

東北電力は7月31日、宮城県宮城郡七ヶ浜町にコンテナ型データセンター「宮城AIデータセンター」を開所した。ゲットワークスとの協業により実現した施設で、NVIDIA H200・B300といった次世代型GPUサーバー向けのハウジングサービス提供を開始している。生成AIの急速な普及によりGPUサーバーの需要が拡大する中、すでに構築分の約50%が契約済みとなっており、「引き合いは大きい」状況だという。

七ヶ浜町は東北電力の仙台火力発電所が置かれてきた土地であり、同社にとって歴史的なつながりを持つ地域でもある。今回、遊休地を活用してデータセンターを設置したことで、気候や冷却条件などを踏まえて適地を選んで展開できる利点があり、新たなデータ産業の拠点として期待されている。

技術的な詳細

施設はラック単位・コンテナ単位のいずれでも利用可能で、耐荷重は2t/平方メートル。受電はコンテナあたり50kWで、需要に応じて増強できる設計となっている。空調はN+1の冗長構成を採用し、現在は空冷方式だが将来的には水冷方式への対応も計画されている。通信回線は現状1G×2回線だが、2027年度中に10G対応へ拡張される予定だ。セキュリティ面ではICカードによる扉の管理と監視カメラの設置によって確保されている。GPUサーバーについては顧客の要望に応じて使用電力などのカスタマイズにも対応するとしている。

今後の展望

東北電力の常務執行役員は、「AIの開発から運用までを支える基盤を提供していく」とコメントし、同社が手がける既存のGPUクラウドサービスと組み合わせた展開を示唆した。東北電力の担当者は、コンテナ型データセンターの利点として「数カ月での環境構築が可能」な点を挙げ、協業するゲットワーク代表は、GPUサーバーが届いたタイミングですぐに稼働できる点をメリットとして強調している。今後は水冷サーバーへの対応準備を進めるとともに、拡張性を備えた設計を活かして複数地域への展開も予定されており、国内の電力会社によるAI関連インフラ投資の広がりを示す事例となりそうだ。