概要

世界最大の半導体受託製造企業TSMCは8月10日、7月の連結売上高が前年同月比44.7%増の467.58億台湾ドル(米ドル換算で約145億ドル)に達し、単月として過去最高を記録したと発表した。半導体株全般に広がる市場の変動にもかかわらず、AIチップへの旺盛な設備投資意欲が裏付けられた形となり、同社の株価も堅調に推移している。

業績の詳細

AIチップ需要を色濃く反映するハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野は、7月に先立つ第2四半期決算で売上全体の66%を占めており、NvidiaやGoogleをはじめとするビッグテック各社からの旺盛な需要が業績を押し上げる構図が続いている。年初来の売上高も前年同期比37%増と高水準を維持しており、7月単月の急伸が一過性のものではなく、通年を通じた需要拡大の一部であることを示している。

通期見通しと設備投資

好調な業績を受け、TSMCは2026年通期の売上高成長率見通しを「40%をやや上回る水準」に上方修正した。あわせて設備投資計画も引き上げ、2026年の資本的支出は過去最高となる600億〜640億ドルに達する見通しだ。同社は7月中旬に発表した第2四半期決算でも市場予想を上回る好業績を示しており、AI需要の「メガトレンド」を取り込むための積極投資姿勢を鮮明にしている。

市場の反応

8月10日の米株式市場では半導体セクター全体に神経質な値動きが見られる中、TSMCの米国預託証券(ADR)は寄り付き前取引で0.37%高の421.60ドルとなり、堅調な株価上昇基調を継続した。市場のボラティリティにもかかわらず、AI関連投資が実需に裏付けられていることを示す決算結果として、投資家からの注目を集めている。