概要
米ラスベガスに本社を置くデータセンター運営会社Switchが、米国での新規株式公開(IPO)に向けて非公開ベースでの申請を行ったと、関係者の話としてBloombergが8月7日に報じた。上場時期は早ければ2026年11月にも見込まれており、調達額は最大100億ドル規模、評価額(負債込み)は500億ドル台から最大800億ドルまで、報道によって幅がある。案件はまだ規模・時期・評価額とも流動的で、今後変更される可能性があるという。引受幹事にはバンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーが名を連ねる見通しだ。
会社の背景と株主構成
Switchは2000年にCEOのRob Roy氏が創業し、ネバダ州、ミシガン州、ジョージア州、テキサス州でデータセンターキャンパスを運営してきた。2022年にはDigitalBridge GroupとIFM Investorsが約110億ドル(負債込み)で同社を買収して非公開化し、2023年にはオーストラリアの年金基金Aware Superが少数株主として出資している。現在もDigitalBridgeが筆頭株主の地位を維持しており、Andreessen Horowitz共同創業者のBen Horowitz氏が取締役会に加わる予定とも伝えられている。同社はAIコンピューティングを支える電力供給・冷却・接続インフラを大規模に提供しており、主要顧客にはNvidia、Dell Technologies、FedExなどが名を連ねる。
AIインフラ需要とIPO市場の過熱
今回の申請は、AI関連インフラへの投資家の旺盛な関心を背景にしている。2026年に入って以降の米国IPO調達額は累計1555億ドルに達し、2021年以来の高水準となっている。データセンター関連では、5月に上場したBlackstone Digital Infrastructure Trustが20億ドルを、7月にはBrookfield Corp.傘下のCsquareが12億1000万ドルを、それぞれ調達しており、投資家がデータセンター事業に大口の資金を投じる姿勢を鮮明にしている。SpaceXやAnthropic、OpenAIといった大型テック企業の上場観測も相次いでおり、こうした流れの中でSwitchのIPOも位置づけられる。
今後の見通し
Switchは非公開でIPO申請を行った段階であり、正式な上場スケジュールや最終的な評価額は今後の市場環境や規制当局とのやり取りを経て確定する見込みだ。AIブームによるデータセンター投資の拡大が続く中、同社がどの程度の評価額で市場デビューを果たすかは、データセンター・AIインフラ関連企業の株式市場での評価を占う試金石として注目されそうだ。