概要

SpaceXは8月4日、IPO後初となる第2四半期決算を発表した。売上高は78億ドルと前四半期の47億ドルから大きく伸び、市場予想を上回る結果となった。しかし投資家の関心はむしろ設備投資の急拡大に集中した。第2四半期の設備投資は184億ドルに達し、前四半期の101億ドルから急増、このうち158億ドルがAIインフラ向けだったことが明らかになった。好調な売上にもかかわらず、AI関連支出の膨張が嫌気され、決算発表後に株価は時間外取引で一時約10%下落し110.95ドルまで下げた。これはIPO価格の135ドルはもちろん、最高値225.64ドルの半分以下の水準である。

セグメント別の内訳

売上の内訳を見ると、Starlinkを中心とする通信(コネクティビティ)事業が43億ドルで前四半期の33億ドルから伸長し、引き続き唯一の黒字事業となっている。一方でAI事業の売上も8億1800万ドルから26億ドルへと急拡大したものの、AI事業単体では第2四半期に13億ドルの損失を計上した。この赤字幅は第1四半期の25億ドルの損失からは縮小しており、投資は先行しつつも収益化が進みつつあることをうかがわせる。

AI投資の規模と市場の反応

今回の決算で最も注目されたのは、184億ドルという設備投資額のうち158億ドルという大部分がAIインフラに投じられていた点だ。前年同期比で557%という設備投資の急増ペースは、通信衛星事業を主軸としてきたSpaceXが急速にAIインフラ企業としての性格を強めていることを示している。市場はこの支出ペースの持続可能性に懐疑的な見方を示し、売上が予想を上回ったにもかかわらず株価は下落する結果となった。

経営陣のコメントと今後の展望

CEOのイーロン・マスク氏は「Starlinkが将来的に、少なくとも事業展開が認められている国々においては、世界のインターネットトラフィックの過半を担うようになる可能性も否定できない」と強気の見通しを語った。一方でCOOのグウィン・ショットウェル氏はより慎重な表現を用い、Starlinkが「インターネットトラフィックのかなりの部分を占めるようになる」との見方を示すにとどめた。両者のニュアンスの違いは、AI関連投資が拡大を続ける中で経営陣内でも成長期待の温度差があることを示唆している。投資家にとっては、今後もAIインフラへの巨額投資が続く中で、いつ収益性の改善が明確になるかが焦点となりそうだ。