概要

KioxiaとSanDiskは、FMS 2026(Future of Memory and Storage)にて第10世代のQLC 3Dフラッシュメモリ技術を発表した。両社が共同開発した本世代は332層の積層構造を採用し、第8世代と比較して最大60%のビット密度向上を達成、37 Gb/mm²を超える業界最高水準の密度に到達した。AIトレーニングやハイパースケールデータセンターにおけるストレージ需要が急速に拡大する中、容量・性能・電力効率を同時に高める技術として位置付けられている。

技術的な詳細

新世代のQLC NANDは、332層アーキテクチャと最適化されたフロアプラン設計により高密度化を実現しているほか、CMOS直接ボンディング技術(CBA)を採用することでチップ面積あたりのビット数をさらに押し上げている。インターフェース面では、QLCとして業界初となる4.8 Gb/sのToggle DDR6.0プロトコルに対応し、データ転送速度を大きく引き上げた。加えて、電力分離型低タップ終端(PI-LTT)技術によりI/Oのデータ転送時における電力効率も改善されており、高速化と省電力化を両立させている点が特徴だ。

背景と今後の展望

QLC(Quad-Level Cell)方式は1セルあたり4ビットを記録することで大容量化に適する一方、書き込み耐性や速度面でTLCなどに劣る側面があるため、これまでは主に大容量ストレージ用途で採用が進んできた。今回の第10世代技術は、層数の積み増しとインターフェースの高速化を両輪で進めることで、AIトレーニング用データセットの保存や大規模データ処理基盤といった、容量と性能の両方が求められる用途への適用を見据えたものとみられる。KioxiaとSanDiskは、両社共同のフラッシュメモリ技術としてこれまで世代を重ねてきており、今回の発表は次世代インフラを支える基盤技術としての位置づけを強調している。