概要
GitHubは2026年8月6日、企業向け管理設定においてMCP(Model Context Protocol)サーバーの許可/拒否リストを設定できる新機能を一般提供として発表した。企業の所有者はallowedMcpServersとdeniedMcpServersという2つのキーを用いて、組織内のCopilotクライアントがどのMCPサーバーを実行できるかを中央で管理できるようになる。信頼できるサーバーを承認する一方で、不適切またはコンプライアンス上問題のあるサーバーの利用をブロックでき、対象はGitHub Copilotアプリ、Copilot CLI、VS Codeの3クライアントとなっている。
MCPはAIエージェントが外部ツールやデータソースと連携するためのプロトコルとして急速に普及しているが、その裏返しとして、組織のメンバーが検証されていない、あるいは悪意のあるMCPサーバーを不用意に接続してしまうリスクも指摘されてきた。今回の機能は、こうしたシャドーMCPの利用を組織レベルで抑制し、承認されたサーバーのみを利用させるためのガバナンス手段として位置づけられている。
技術的な詳細
設定はcopilot/managed-settings.jsonというファイル内に記述する。サーバーを識別するためのマッチャーとして以下の3種類が用意されている。
- serverUrl: HTTP/SSE経由で接続するリモートサーバーを識別するもので、ワイルドカードによる指定にも対応する。
- serverCommand: ローカルで実行するサーバーをコマンドと引数の完全一致で検証する。
- serverName: ユーザーが割り当てたラベルによる識別で、あくまで表示用途であり、セキュリティ制御としては機能しない点に注意が必要とされている。
ポリシーは「失敗時クローズド(fail-closed)」の方針で設計されており、設定内容が不正な場合は許可ではなくブロックされる挙動になる。また、組織や企業など複数階層でポリシーが設定されている場合は、いずれの層のチェックも通過しなければ実行が許可されない仕組みだ。
設定方法と今後の展望
管理者は、ソース組織の.github-privateリポジトリ内にあるcopilot/managed-settings.jsonに許可・拒否リストのキーを追加し、デフォルトブランチにコミットすることで設定を反映させる。中央集権的な設定ファイルによる管理のため、個々の開発者の設定変更に依存せず、組織全体に一貫したポリシーを適用できる点が特徴だ。
AIエージェントやMCPサーバーの利用が企業の開発ワークフローに急速に組み込まれつつある中、今回のような管理者向けガバナンス機能の整備は、セキュリティとコンプライアンスを担保しながらAI活用を推進したい企業にとって重要な一手になると見られる。今後、対応クライアントの拡大や、より詳細なポリシー制御機能の追加が続く可能性がある。