概要

AIクラウド大手のCoreWeaveは、インドネシア・ジャカルタ近郊に3つのAIデータセンター施設を建設すると発表した。合計IT電力容量は360MWに達し、2028年の稼働開始を予定している。北米・欧州を中心に事業を展開してきた同社にとって、これがアジア太平洋地域への初進出となる。CoreWeave COOのSachin Jain氏は「今回の拡張により、企業やAIネイティブ企業、政府は必要などこであってもローカルおよびグローバルでより多くのコンピュートを確保し、競争優位につなげられるようになる」と述べ、パイオニアに必要な容量・パフォーマンス・信頼性を提供できる地域に進出する方針を示した。

技術的な詳細

CoreWeaveは2026年3月31日時点で世界49カ所のデータセンターを運営し、1GW以上のアクティブ電力と3.5GW以上の契約電力を保有する。インドネシアの新施設はこの契約電力の約10%に相当する規模となる。3拠点にはCoreWeaveの完全なAIクラウドプラットフォームが導入される予定で、対象顧客はAIラボ、スタートアップに加え、東南アジア全域にワークロードを展開するエンタープライズ企業を想定している。

進出の背景

インドネシアが選ばれた理由として、AI教育への投資、政府・民間によるデジタルインフラ投資、スケーラブルな電力供給が挙げられている。IDCのアナリストDave McCarthy氏は今回の展開を「北米・欧州のプレーヤーからグローバルAIインフラプラットフォームへの転換」と評価する。インドネシアは東南アジアで最も急速に成長する技術投資先の一つとなっており、遅延に敏感なワークロードやデータ局所性(レジデンシー)の要件が、地域へのインフラ投資を後押ししている。

今後の展望

CoreWeaveはインドネシア現地での技術チーム構築や人材育成にも投資し、長期的な事業運営体制を整える方針を示している。今回の動きは、AIインフラがこれまでの集中型配置から、データレジデンシー規制やレイテンシ要件に対応した地域別・主権的な配置へとシフトしつつある業界全体の流れを象徴するものといえる。2028年の稼働開始に向け、シンガポールや日本といった既存のAPACデータセンター拠点との競合構図にも注目が集まる。