概要

Palantir Technologiesは8月2日、2026年第2四半期決算を発表した。売上高は前年同期比93%増、前四半期比19%増の19億3546万4000ドルとなり、市場予想を1億2300万ドル(6.8%)上回る「フルスタックでの決算ビート」を達成した。調整後EPSは0.41ドルとなり、市場予想の0.34ドルを大きく上回った。決算発表を受けて時間外取引でPLTR株は約15%急伸し、株価は144.45ドル前後まで上昇、時価総額はおよそ450億ドル積み増しされた。CEOのアレックス・カープ氏は「AI主権(AI sovereignty)への需要が解き放たれた」とコメントし、今四半期を「異例」の四半期と表現した。

業績のハイライト

地域・部門別に見ると、米国事業の売上高は前年比115%増の15億7300万ドルに達し、全体成長を牽引した。特に米国商業部門は前年比149%増の7億6400万ドルとなり、米国政府部門も前年比90%増の8億900万ドルと高い伸びを記録した。収益性の面では、GAAPベースの営業利益率が47%、調整後営業利益率は62%、純利益率は55%に達し、成長率と利益率を合算した「Rule of 40」スコアは155%まで上昇した。調整後フリーキャッシュフローは12億2000万ドル(マージン63%)となった。売上が93%増加した一方で営業費用の増加は34%にとどまり、強いオペレーティングレバレッジが働いたことも示された。

契約実績も好調で、100万ドル以上の契約を四半期で過去最多となる220件成約したほか、500万ドル以上が98件、1000万ドル以上が73件に上った。総契約価値(TCV)は前年比49%増の33億7300万ドル、米国商業部門のTCVは前年比153%増の21億3200万ドルと記録的な水準に達し、米国商業部門の残存契約価値も前年比124%増の62億3800万ドルに拡大した。また、既存顧客からの支出拡大を示す純収益維持率(NDR)は157%に達しており、米国商業部門の顧客数が四半期比でわずか6%しか増えていないにもかかわらず、同部門の売上が28%拡大している点は、既存顧客への深耕が成長の主因であることを裏付けている。

通期見通しと今後の展望

好調な四半期実績を受け、Palantirは2026年通期の売上高見通しを81億5000万ドル〜81億5800万ドル(前年比82%増)へ上方修正し、米国商業部門の売上高見通しも34億2400万ドル超(前年比134%以上増)に引き上げた。調整後営業利益見通しは48億8900万ドル〜48億9700万ドル、調整後フリーキャッシュフロー見通しは45億〜47億ドルとされた。今回の通期見通しの引き上げ幅4億9800万ドルのうち、3億6200万ドルは下期の業績見込みによるもので、今四半期の上振れ分だけでなく今後の成長期待も織り込まれている。

一方でリスク要因も指摘されている。海外売上高は全体の18.7%にとどまり、米国事業に比べて成長ペースは緩やかである。株式報酬費用も売上高の13.7%を占め、依然として大きな比率を保っている。またAIモデル提供企業が将来的にPalantirと競合するエンタープライズ向けソリューションを開発する可能性も懸念材料として挙げられている。株価は2026年予想売上高の42.5倍という高いバリュエーションで取引されており、市場はAI主導の高成長がこれまでの想定以上に長期化するとの期待を織り込みつつも、成長の持続性が今後も注視されることになりそうだ。